ビジネスや店舗運営で顧客とのつながりを強化するなら、LINE公式アカウントの運用が効果的です。
無料で始めることができ、メッセージ配信やクーポン発行、ショップカード機能などを利用できるため、集客やリピーター獲得に役立ちます。
しかし、「LINE公式アカウントの作り方が分からない」「料金はいくらかかるの?」など、疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、LINE公式アカウントの作り方や料金プラン、注意点を、初心者向けに分かりやすく解説します。
※こちらの記事は2025年11月18日時点での情報です。
LINE公式アカウントとは、企業や店舗、個人事業主が顧客と直接つながるために活用されるビジネス用のLINEアカウントです。
LINEヤフー社が提供するサービスで、友だち登録したユーザーに対して、メッセージの一斉配信やクーポン発行、ショップカード配布などを簡単に行えます。
多くのユーザーが日常的に利用しているLINE上で情報発信ができるため、開封率や反応率が高く、顧客との関係づくりに効果的です。
また、LINE公式アカウントを開設すると、トーク画面やリッチメニューを自由に設定できるようになります。
予約・問い合わせ・ECサイトへの誘導など、LINE内で完結する顧客体験を提供することも可能です。
LINE公式アカウントには、以下の3つの種類があります。
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種類 |
バッジの色 |
特徴 |
|
プレミアムアカウント |
緑色 |
・2019年のサービス統合前から存在する一部のアカウント ・審査基準は非公開で、現在、新規での取得は基本的に不可 ・旧LINE公式アカウント利用企業が継続利用 |
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認証済アカウント |
青色 |
・LINEヤフー社による所定の審査を通過したアカウント ・企業規模を問わず取得可能で、現在新規で申請できるのはこちら |
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未認証アカウント |
灰色 |
・個人・法人を問わず誰でも取得できる ・有料プランへの変更も可能 |
※2019年にLINE@とLINE公式アカウントが統合され、現在の体系となっています
LINE公式アカウントを作成する流れは、まず「未認証アカウント」を作成し、必要に応じて「認証済アカウント」へアップグレードするというステップが基本です。
審査に通過して認証済アカウント(またはプレミアムアカウント)になると、LINEアプリ内の検索結果にアカウント名が表示されるようになり、より多くのユーザーに見つけてもらいやすくなります。
認証済アカウントはLINE広告との連携もしやすく、集客面での効果も高められるでしょう。
未認証アカウントでもメッセージの配信はできますが、店舗やブランドの信頼性を高めたい場合は、認証済アカウントへの切り替えを目指すのがおすすめです。
関連記事:LINE公式アカウントの「認証済」とは?メリット・デメリットや取得方法を紹介
ここからは、LINE公式アカウントの作り方を具体的に説明します。
まずは、PCでのアカウント作成方法です。
①LINE公式アカウントの開設ページにアクセスする
②「LINE公式アカウントをはじめる」をクリックし、LINEのビジネスIDを作成する
(SMS認証が必要)
③アカウント名や会社・事業者名などの必要事項を入力し、アカウントを作成する
④管理画面にログインして、プロフィール・営業時間・住所・電話番号などの「基本情報登録」を行う
LINE公式アカウントは、スマートフォンで作成することも可能です。
「パソコンが手元にない」「まずはスマホ1台で始めたい」という方はもちろん、PCからアカウントを作成した場合でも、スマートフォンアプリをダウンロードしておくと便利です。
具体的な作り方は、以下の通りです。
①LINE公式アカウントアプリをダウンロードする
②アプリを起動し、登録・ログインを行う
③個人用LINEアカウント、またはメールアドレスで認証・ログインする
④アカウント名、企業名・店舗名などの必要事項を入力し、作成完了
続いては、LINE公式アカウントを作る際の注意点を紹介します。
アカウント開設後は、管理画面からすぐに「認証済アカウント」を申請できます。
申請は無料で、審査中も未認証のままアカウント運用が可能です。審査にはおおむね5〜10営業日かかります。
認証済アカウントの申請は、LINEヤフー社の公式認定を受けたセールスパートナー(代理店)を通じて行うこともできます。
アカウント名は最大20文字です。ユーザーが検索・識別しやすい名称にしましょう。
未認証アカウントは管理画面で名称変更できますが、認証済アカウントは原則アカウント名を変更できません。
ただし、社名・サービス名の正式変更など、一部のケースでは再審査により認められる場合もありますが、運用途中の名称変更はユーザーの混乱を招く可能性があります。
未認証アカウントであっても、一度設定したアカウント名は7日間変更できないため、ほかのSNSやWebサイトと表記を統一するなど、慎重に決めましょう。
アイコンとプロフィールは、友だち登録を行うユーザーが最初に目にする部分です。
ブランドロゴや、店舗らしさが伝わる外観・商品写真を用意して、視認性が高いアイコンを設定しましょう。
また、プロフィールの背景画像は、アイコンとは別に設定が可能です。
ステータスメッセージやボタンなど、プロフィールページだけでも設定する項目が複数あるため、企業や店舗の魅力を存分に伝えられる構成を意識することが大切です。
あいさつメッセージは、友だち追加直後に自動送信される最初のメッセージです。
ユーザーの第一印象を左右するため、こちらも内容をよく検討して設定しましょう。
最大で5つの吹き出しを設定することができ、以下の構成が推奨されています。
①アカウントの自己紹介や配信する予定の情報を紹介
②アカウント内でユーザーができること
(サービス予約、在庫問い合わせ、自動配信メッセージのキーワードなど)
③初回限定クーポンなどのお得情報
あいさつメッセージは、通常メッセージの配信上限とは別枠のため、通数カウントの対象外です。
無料で配信できるため、しっかりと設定して効果的に使いましょう。
続いては、LINE公式アカウントを開設する際に、よくある疑問を紹介します。
LINE公式アカウントには現在、以下の3つの料金プランが用意されています。
|
プラン名 |
月額固定費 |
無料メッセージ |
追加メッセージ |
|
コミュニケーションプラン※2 |
0円 |
200通 |
不可※3 |
|
ライトプラン |
5,000円(税別)※1 |
5,000通 |
不可※3 |
|
スタンダードプラン |
15,000円(税別)※1 |
30,000通 |
可能 〜3円/通(税別)※3,4 |
※1:料金は月額換算です。
※2:開設時はコミュニケーションプランに設定されています。ライトプラン、スタンダードプランを希望される場合は、開設後にプラン変更が必要です。
※3:スタンダードプランのみ、従量課金制で追加メッセージを配信いただけます。コミュニケーションプラン・ライトプランでは追加メッセージの配信はできません。
※4:スタンダードプランの追加メッセージの単価は配信数によって異なります。
月間200通までであれば、無料のコミュニケーションプランで運用できます。
「メッセージを送った回数×送った友だちの数=通数」でカウントする仕組みです。
そのため、メッセージを送りたい数が200を超える場合はライトプランへ、5,000を超える場合はスタンダードプランへの変更が必要となります。
段階的な料金設定のため、友だちの数やメッセージの配信頻度に応じて、適切なプランを選べるのが魅力です。
後からアップグレードすることも可能なため、まずは無料プランでスタートし、徐々にライトプラン、スタンダードプランへ移行するのも良いでしょう。
関連記事:LINE公式アカウントの料金プランは?無料・有料プランの違いや有料オプションの特徴を紹介
メッセージの配信数(通数)は、前述の通り「メッセージを送った回数×送った友だちの数」でカウントされます。
例えば、友だち300人を対象に1回のメッセージ配信を行った場合、配信数は300通です。
ただし、メッセージには、カウント対象になるものと、ならないものがあります。
|
カウント対象のメッセージ |
カウント対象外のメッセージ |
|
・メッセージ配信(絞り込み配信も含む) ・ステップ配信 |
・あいさつメッセージ ・応答メッセージ(自動返信) ・LINE VOOM(旧:タイムライン)への投稿 |
また、チャット機能を使った1:1の個別やり取りも、配信数にはカウントされません。
そのため、ユーザーからの問い合わせ対応やフォローアップは、通数を気にせず丁寧に行えます。
LINE公式アカウントは、アカウント登録が完了した時点から、すぐに運用を開始できます。
認証済アカウントの申請を行った場合でも、審査が通るまでは未認証のまま、通常のメッセージ配信やチャット機能の利用が可能です。
LINE公式アカウントは、1つのLINEビジネスIDにつき、最大100個までの公式アカウントを作成できます。
未認証・認証済の区分にかかわらず作成できるため、以下のような使い方も可能です。
ただし、複数の公式アカウントを運用する際は、「どのアカウントにどの友だちを誘導するか」など、アカウントごとの役割と目的を明確にすることが重要です。
LINE公式アカウントでは、1つのアカウントを複数人で共同管理できます。
店舗のマネージャーや企業の広報・マーケティング担当など、複数のスタッフが関わるケースでも効率的に運用できるのが特徴です。
また、管理者ごとに「権限」を細かく設定できるため、誤操作や情報漏えいのリスクを防ぎながら安全に運用できます。
権限の種類は、以下の4つです。
|
権限の種類 |
内容 |
|
管理者 |
すべての操作が可能 |
|
運用担当者 |
メッセージ配信や設定変更が可能 メンバー管理は不可 |
|
運用担当者 (配信権限なし) |
メッセージ作成やLINE VOOM(旧:タイムライン)への投稿が可能 配信は不可 |
|
運用担当者 (分析閲覧不可) |
配信・投稿は可能 分析データの閲覧は不可 |
配信権限を適切に設定することで、配信前に担当者が内容を確認し、問題がなければ管理者が承認して送信するといったワークフローも構築できます。
また、いずれの権限でも1:1のチャット機能は利用可能なため、問い合わせなどの顧客対応は複数人で交代しながら行うことも可能です。
関連記事:LINE公式アカウントの管理者に招待されたらどうする?追加・削除・変更する方法
リッチメニューとは、トーク画面下部に固定表示されるボタンメニューのことです。
予約ページやクーポン、ECサイト、公式ホームページなどへユーザーを誘導し、目的のアクションを促す重要な役割を担います。
リッチメニューの作成は、PC版の管理画面とスマートフォンアプリのどちらからでも可能です。
【管理画面(PC)の場合】
①「トークルーム管理」から「リッチメニュー」を選択する
②画面右側の「リッチメニューを作成」をクリックし、新規作成画面へ
【アプリ(スマートフォン)の場合】
①メニューから「リッチメニュー」を選択する
②「作成」をタップし、新規作成画面へ
リッチメニューを適切に作成することで、「来店予約」や「ECサイトへの遷移」などのアクションへユーザーをスムーズに誘導できるようになります。
無料プランでも利用できる基本的な機能なので、積極的に活用しましょう。
関連記事:LINEリッチメニューを作ろう!作り方や設定方法、デザイン例を紹介
LINE公式アカウントでのアンケートには、「リサーチ機能」を使用します。
リサーチ機能は無料プランでも利用可能で、オリジナルのアンケートを管理画面から作成可能です。
【リサーチ機能の使い方】
①「ツール」から「リサーチ」を選択する
②「作成」をクリックし、新規作成画面へ
LINEアンケートの詳しいやり方や注意点については、以下の記事で解説しています。
関連記事:LINEアンケートを活用しよう!作り方や使い方、注意点を解説
LINE公式アカウントは、個人・法人を問わず、誰でも開設できるビジネス用アカウントです。
まずは無料の「コミュニケーションプラン」から始められるため、コストを抑えて導入できます。審査を通過して認証済アカウントになると、ブランドの認知度や信頼性の向上にもつながるでしょう。
ただし、アカウント開設後には「アイコン設定」「プロフィール入力」「あいさつメッセージの作成」など、いくつかの項目を設定する必要があります。
初期設定が不十分な場合、友だち登録後の印象が薄くなり、配信効果が出にくくなってしまうため注意が必要です。
また、LINE公式アカウントは「作って終わり」ではなく、「友だちを増やす工夫」や「継続的に利用してもらう仕組み」まで意識して運用することが重要です。
「LINE公式アカウントを効果的に運用したい」「初期設定のベストな方法が知りたい」という方は、LINEヤフー社の公式パートナーに相談してみてはいかがでしょうか。
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