Gemini(ジェミニ)とは?特徴や何ができるのか、料金や使い方を分かりやすく解説
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Septeni Focus 編集部

AI技術の進化により、文章作成や画像生成、プログラミング支援など、多岐にわたる用途でAIツールが活用されています。
数多くのAIがリリースされるなか、注目を集めているのがGoogleが開発したAIモデル「Gemini(ジェミニ)」です。
Geminiは、自然な会話や高度な情報処理が可能なAIとして、多くの分野で活用されていますが、「具体的にどんなことができるの?」「料金はどのくらい?」「どうやって使えば良いの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Geminiの特徴やできること、料金プランや使い方などを分かりやすく解説します。
※こちらの記事は2025年4月14日時点の情報です。
Gemini(ジェミニ)とは
GoogleのGemini(ジェミニ)は、テキスト・画像・音声・動画など、さまざまなデータを処理できるマルチモーダルAIです。
2023年12月に初期モデルが発表され、2024年2月に旧「Google Bard」と統合されました。
Geminiには、自然言語での対話や文章の要約・翻訳、画像検索や画像生成などのさまざまな機能が備わっています。
従来のテキスト中心のAIとは異なり、画像を解析しながらテキストを生成したり、動画の内容を要約したりと、複数のデータ形式を組み合わせた高度なタスク処理が可能です。
また、Googleサービスとの親和性が高く、Googleドキュメントやスプレッドシートに直接エクスポートする機能も備えています。
これにより、レポート作成やデータ分析などの業務をさらに効率化できるでしょう。
現在、Geminiでは無料版と有料版(Gemini Advanced)の2つのプランが提供されており、用途に応じて選択が可能です。
有料版では、無料版より高度なAI機能や拡張されたコンテキストウィンドウを利用できます。
関連記事:生成AIとは?種類や従来のAIとの違い、活用事例について初心者向けに解説
GeminiとChatGPTの違い
Geminiと並んで人気のある生成AIが、OpenAIが開発したChatGPTです。
両者ともに高度な自然言語処理能力を持つ大規模言語モデル(LLM)ですが、以下のような違いがあります。
マルチモーダル対応
Geminiは、テキスト・画像・音声・動画を統合的に処理できるマルチモーダルAIです。
例えば、写真をアップロードすると、その内容を解析し、説明文を自動生成できます。
また、動画の要約や音声データの文字起こし・翻訳など、多様なタスクに対応できるのが特徴です。
一方、ChatGPTは主にテキストベースの処理を得意とするAIです。
画像や音声の処理にも対応できますが、外部のツールとの連携が必要になるため、Geminiのように1つのプラットフォーム内で完結できるわけではありません。
そのため、直感的にマルチモーダル機能を活用したい場合は、Geminiのほうがスムーズに利用できます。
料金プラン
GeminiとChatGPTには、以下のような違いがあります。
AIモデル |
無料版 |
有料版/料金 |
Gemini |
あり |
Gemini Advanced:月額約2,900円 |
ChatGPT |
あり |
・ChatGPT Plus:月額20ドル(約2,980円) ・ChatGPT Pro:月額200ドル(約29,770円) ・ChatGPT Team:年額25ドル(約3,720円)/月額30ドル(約4,460円) ・ChatGPT Enterprise:要問い合わせ |
Geminiの無料版では、Gemini 2.0 Flashと2.0 Flash Thinking Experimentalへのアクセスが可能です。
有料版のGemini Advancedでは、月額2,900円でGemini 2.0 FlashやGemini 1.5 FlashのほかGeminiの全機能を利用できる高性能なモデルのため、ビジネス用途でも活用しやすいのが特徴です。
ChatGPTの無料版では、GPT-4o miniのアクセスや、GPT‑4o・o3‑miniへの限定アクセスが可能です。
データ解析、画像生成なども限定的であれば無料で利用できますが、より多くのモデルや高機能を求めるなら有料版「ChatGPT Plus」に加入することもできます。
そのほかにも、ビジネスチームでの使用や企業全体での使用を目的としたプランもあるため、目的に合わせて使い分けが可能です。
ただし、Geminiの料金プランは日本円で設定されていますが、ChatGPTは米ドルが基準となるため、為替レートにより毎月変動があることを覚えておきましょう。
最大コンテキストの長さ
最大コンテキストとは、大規模言語モデル(LLM)が一度に処理できるテキストの最大量のことです。
モデル |
最大コンテキスト |
Gemini |
200万トークン |
ChatGPT |
12万8,000トークン |
Geminiの最大コンテキストの長さは、AIモデルによって異なります。
無料版でも最大200万トークンのコンテキストウィンドウをサポートしているのが特徴です。
一方、ChatGPTの最大コンテキストは12万8,000トークンなので、Geminiが長い文脈の処理に適していることが分かります。
Google検索との連携機能
GeminiはGoogle検索と直接連携しているため、最新の情報をリアルタイムで取得できます。
例えば、「今週の天気予報」「飛行機のフライト情報」「ホテルの空室情報」なども、最新情報をもとにした回答が可能です。
一方、ChatGPTは学習データをもとに回答を生成するため、最新情報には対応できないことがあります。具体的には、2025年3月現在において、ChatGPTの無料版は2023年4月までのデータしか取得していません。
ただし、有料版ではブラウジング機能を有効化することで、最新情報の取得も可能です。
しかし、GeminiのようにGoogle検索との直接連携があるわけではなく、情報の取得精度には差がある点に注意が必要です。
関連記事:ChatGPTとは?使い方や活用シーン、無料でできる始め方を紹介
関連記事:大規模言語モデル(LLM)とは?仕組みや用途、生成AIとの違いを分かりやすく解説
Gemini(ジェミニ)の特徴(3つのモデル)
Gemini(ジェミニ)には、用途や処理能力に応じて異なる3つのモデルが提供されています。
それぞれのモデルには特徴があり、目的に応じて最適なものを選ぶことができます。
Gemini Nano
Gemini Nanoは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス向けに開発された軽量モデルです。
Google Pixel 8 ProなどのAndroid端末に最適化されており、デバイス上で直接AI処理を行うオンデバイスモデルとして動作します。
-
オフラインでも利用可能
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高速な処理能力
-
バッテリー消費を抑えた設計
Gemini Nanoは、インターネット接続がなくても利用できるため、オフライン環境でもスムーズにAIの機能を活用できるのが特徴です。
クラウドを介さない分、動作の応答速度が速く、バッテリー消費を抑えられるメリットもあります。
チャットアプリの返信提案や音声の文字起こし・要約といったリアルタイム処理に適したモデルで、日常的にAIを活用したいユーザーにとって使いやすい仕様となっています。
Gemini Pro
GeminiProは、幅広いタスクに対応できる汎用性の高いモデルです。
2024年5月にはGemini 1.5 Proとしてアップデートされ、コンテキストウィンドウが大幅に拡張されました。
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最大200万トークンのコンテキストウィンドウ
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コード生成や画像解析にも対応
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無料で利用可能
最大200万トークンの処理が可能となり、最大3,000ページのPDFの解析や200通のメールの要約など、複雑なデータ処理もよりスムーズに行えるようになりました。
テキスト生成やデータ分析、プログラミング支援など、多様なタスクをこなせる高い汎用性を持ち、Googleサービスとの連携も強化されています。
Googleアカウントを保有していれば無料で利用できますが、利用回数や一度に処理できる情報量には制限があるため、無制限での利用を希望する場合は有料プランへの加入が必要です。
Gemini Ultra
Gemini Ultraは、Geminiシリーズのなかでももっとも高性能なモデルで、専門的な分析や高度なデータ処理が求められる場面で優れたパフォーマンスを発揮します。
テキスト、画像、音声、動画、コードなど、あらゆるデータ形式を統合的に処理する能力を持ち、特に高度な推論や複雑な問題解決に強いのが特徴です。
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マルチモーダル対応の最高峰モデル
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複雑な推論や論理的思考を要するタスクに対応
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高精度なコード生成とデバッグ支援
科学論文の分析や法律文書の解析、医療分野でのデータ活用、さらには高精度なコード生成やデバッグ支援など、プロフェッショナル向けの高度なタスクにも対応しています。
有料サービス「Gemini Advanced」の一部として提供されており、月額2,900円で利用できるため、競合するChatGPTの有料版(ChatGPT Plus)と比較してもコストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるでしょう。
Gemini(ジェミニ)は何がすごい?
Googleが開発したGemini(ジェミニ)は、最新のAI技術を駆使した多機能な生成AIです。
従来の生成AIと比較して、以下の点に優れています。
マルチモーダル対応
Geminiの最大の魅力の一つは、テキスト・画像・音声・動画を単一のモデルで処理できるマルチモーダル対応です。
ユーザーは多様なデータ形式を組み合わせて、高度なタスクを実行できます。
さらに、GeminiはGoogleの画像生成AI「Imagen」との統合により、テキストから画像を生成する機能も備えており、プレゼン資料の作成やクリエイティブなコンテンツ制作にも役立ちます。
高度な推論能力
Geminiは、大量のデータをもとに論理的な推論を行い、深い洞察を得ることに優れたAIです。
特に、科学や金融、法律などの専門分野において、複雑なデータを分析し、最適な結論を導き出す能力を持っています。
また、企業のマーケティング戦略の立案においても、消費者の購買行動を分析し、適切なターゲティングや市場予測を行うことが可能です。
優れたコード処理能力
Geminiは、コードの生成やデバッグ、最適化など、プログラミング関連のタスクにも優れた性能を発揮し、開発者の業務を大幅に効率化できます。
Googleの独自ベンチマークテストにおいて、ほかのAIと比較して優れたコード処理能力を示している点が注目されています。
多くのプログラミング言語に対応し、Python、JavaScript、C++などのコードをスムーズに生成できる点も魅力です。
エラーの修正やコードの最適化もサポートし、初心者から上級者まで幅広い開発者に役立ちます。
カスタマイズ性が高い
Geminiには「Gems」と呼ばれるカスタマイズ機能があり、ユーザーは自分のニーズに合わせてAIアシスタントを作成・カスタマイズできます。
例えば、営業支援用のアシスタントを作成し、顧客からの問い合わせ対応を自動化したり、Gmailと連携させることで、未読メールの要約を作成し、適切な返信文を自動生成することも可能です。
ビジネス用途だけでなく、教育分野でも学習支援用のGemsを活用し、受験勉強の質問応答や要点整理に役立てることができます。
日本語にも対応
Geminiは、日本語を含む多言語に対応しており、自然な言語処理能力を備えています。
日本語の文法を正しく理解し、より自然な文章を生成できるため、日本人ユーザーにとっても使いやすいAIです。
複雑な日本語の文献を正確に解釈できるため、研究や学術分野でも活用が進んでいます。
また、英語やほかの言語と組み合わせた翻訳機能も強化されており、高品質な日英翻訳や、多言語間のスムーズなコミュニケーションを支援します。
Gemini(ジェミニ)の使い方
ここからはGemini(ジェミニ)の使い方を見ていきましょう。
Geminiの基本的な使い方は、以下の通りです。
1.公式サイトにアクセスする
Geminiの公式サイトにアクセスし、Googleアカウントにログインをします。
利用規約が出てきた場合は、内容を確認したうえで承認します。
3.回答が生成される
Geminiは、ブラウザで公式サイトにアクセスし、プロンプトを入力するだけで誰にでも簡単に利用できます。
ただし、Geiminiを使用するには、Googleアカウントへのログインが必要です。
Googleアカウントをお持ちでいない方は、事前に新規作成を済ませておきましょう。
Gemini(ジェミニ)の種類と料金
Gemini(ジェミニ)には、無料版と有料版の2種類があり、利用者のニーズに応じて選択できます。
無料版でも多くの機能を活用できますが、より高度な処理能力を求める場合は有料版が適しています。
無料版
Gemini無料版のGemini 1.5 Proでは、以下の機能が利用できます。
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テキスト生成
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文章の要約
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コード生成
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画像生成
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音声生成
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動画生成 など
無料版でも多くの機能が使用できますが、有料版と比較すると処理速度がやや遅かったり、利用回数に制限があったりします。
また、使用モデルが異なるため、生成されるテキストやコードの質に若干の差が生じる可能性もあるでしょう。
Geminiの無料版は、手軽にAIを試したい方や、簡単なテキスト生成・情報整理を行いたい方におすすめです。
有料版
有料版のGeminiには、先ほど紹介した個人向けの「Gemini Advanced」のほかにも、法人向けの「Gemini for Google Workspace」があります。
Gemini有料版 |
概要 |
Gemini Advanced (個人向け) |
・月額2,900円(1ヶ月の無料トライアルあり) ・Gemini Ultra 1.0・Gemini 1.5 Proが利用可能 ・基本機能に加え、高度な推論やコーディングが可能 |
Gemini for Google Workspace (法人向け) |
・月額800円~(1ユーザー当たり) ※プランによって金額は異なります。 ・Gemini 2.0 Proが利用可能 ・基本機能に加え、高度な推論やコーディングが可能 ・ストレージプールやビジネス用メールアドレスなど、GoogleWorkspaceの機能も使用できる |
有料版のGeminiでは、最上位モデルのGemini Ultra 1.0が搭載されており、高度なタスクの処理が可能です。メール返信文の自動作成や大量のデータ分析、コーディング支援など、ビジネスシーンに適しています。
さらに、複雑なテーマに関する論文の要約や外国語の文献翻訳、ブログ記事や小説の執筆支援、SNSアップ用の画像・動画の生成も可能なため、個人的な利用にも役立つでしょう。
【最新(2025年3月)のアップデート情報】
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Geminiの機能は継続的にアップデートされており、2025年2月20日には、無料版を含む全ユーザーが、GoogleドライブやデバイスからPDF・WordファイルをGeminiに直接アップロードし、解析・編集できる機能が追加されました。
また、2025年2月5日に新たにリリースされた「Gemini 2.0 Flash」は、従来のGemini 1.5 Proよりも軽量で、特に応答速度が向上したモデルとして注目されています。
いずれもマルチモーダルとテキスト出力に対応しており、無料版でも利用可能です。
これにより、Geminiの活用範囲がさらに広がり、多くのユーザーが自分の目的に合ったAIツールを選べる環境が整っていくでしょう。
Geminiや生成AIをビジネスに導入しよう
Gemini(ジェミニ)をはじめとする生成AIは、文章作成の自動化や顧客対応の最適化、データ分析の高速化など、さまざまな分野で活用が進み、業務の効率化や生産性向上に貢献しています。
特にマーケティングや営業、カスタマーサポート、プログラミング支援といった業務では、Geminiの高度な推論能力やマルチモーダル対応が強みとなるでしょう。
さらに、Geminiは最新のアップデートにより、処理速度や推論能力が向上しており、「Gemini 2.0 Pro」や「Gemini 2.0 Flash-Lite」、より高度な文脈の読み取りや複雑なタスクに対応可能している「Gemini 2.5」や「Gemini 2.5 Pro Experimental」などもリリースされています。
今後も新しいモデルの登場が予想されるため、Geminiのさらなる進化に注目しつつ、ビジネスや日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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