2025.12.17

LINEのID連携のやり方とは?仕組みやメリットを紹介

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Septeni FOCUS 編集部

LINEのID連携のやり方とは?仕組みやメリットを紹介

LINEのID連携は、公式アカウントを活用して顧客とのつながりを強化したい企業・店舗にとって、マーケティング効果を高める手段の一つです。

ID連携を導入すると、顧客データの一元管理や、購入履歴にもとづくメッセージ配信など、より精度の高いマーケティングが実施できるようになります。顧客の利便性も向上するため、ECサイトやアプリで「LINEでログイン」を導入する企業が増えています。

この記事では、LINEのID連携の仕組みやメリット、導入方法から実際の活用事例まで、分かりやすく紹介します。
※こちらの記事は2025年12月11日時点での情報です。

LINEのID連携とは

LINEのID連携とは

LINEのID連携とは、企業が持つ顧客データベースとユーザーのLINEアカウント(LINE User ID)を安全に結び付ける仕組みのことです。
最近では多くのECサイトやサービスが「LINEでログイン」を採用しており、これもID連携によって実現されています。

ユーザーは新しいIDやパスワードを作成する必要がなく、LINEを使ってワンタップでサービスにログインが可能です。
企業側は顧客情報を一元管理しやすくなるほか、ユーザーに合わせたアプローチができるようになります。

購入履歴にもとづくおすすめ商品のお知らせ、興味・関心に合わせたメッセージ配信、来店状況に応じたクーポンの提供など、一人ひとりに最適化したコミュニケーションが可能なため、マーケティング効果の向上が期待できます。

LINEのID連携を導入するメリット

LINEのID連携を導入するメリット

LINEのID連携は、単にログインを便利にするだけでなく、企業の顧客管理・マーケティング・業務効率のすべてを底上げする重要な仕組みです。
続いては、LINEのID連携を導入するメリットについて、さらに詳しく解説します。

顧客データの一元管理が可能

LINEのID連携を行うと、自社システムとLINEのユーザーデータを統合し、顧客情報を「人」単位でまとめて管理できるようになります。
複数チャネルのデータを1つのIDに紐付けられるため、顧客の行動をより正確に把握できる点が大きなメリットです。

例えば、以下のような情報を1つの顧客IDとして扱うことができます。

 

  • 自社ECサイトでの購入履歴
  • メルマガや会員ページでの申込履歴
  • コールセンター・お問い合わせフォームでの問い合わせ履歴
  • LINEトークでの問い合わせ対応の履歴
  • LINE経由の予約・決済情報

 

これらを統合することで、「このユーザーはECサイトでは〇〇を購入し、LINEでは配送状況を確認している」など、顧客行動を立体的に把握できるため、データ活用の精度が向上します。

属性や行動履歴にもとづくセグメント配信

統合した顧客データをもとに、LINE公式アカウントでは高度な「セグメント配信」ができるのもID連携のメリットです。セグメント配信とは、ユーザーを年齢・性別・地域・興味関心・購入履歴など、さまざまな条件で絞り込み、必要なユーザーだけにメッセージを届ける機能です。

例えば、以下のような配信が可能になります。

 

  • 過去30日以内に購入したユーザーにだけ、関連商品のクーポンを配信
  • 来店履歴が6ヶ月以上ないユーザーにだけ、再来店を促すキャンペーンを配信
  • 予約履歴があるユーザーに限定し、定期メンテナンスの案内を送付

 

ターゲットを絞ることで無駄な配信を減らせるため、効率的なマーケティングを実現できます。

自動化による業務効率化

ID連携が完了していれば、ユーザーがLINEトークでメッセージを送信した時点で、顧客情報の自動照会ができるようになります。
「お名前を教えてください」「会員番号を入力してください」といった確認作業が不要なため、顧客からの問い合わせに対し、以下のような自動応答が可能です。

 

  • 「配送状況を知りたい」という問い合わせに対し、購入履歴を参照して現在の配送状況を即時に回答
  • 「ポイント残高は?」という質問に対し、保有ポイント数や有効期限をリアルタイムで案内
  • 商品の定期購入者に対し、次回配送日の自動通知を配信

 

問い合わせ対応の自動化は、スタッフの負担を大幅に減らすだけでなく、ユーザーが知りたい情報を迅速に届けられるため、顧客満足度の向上にもつながります。

ブロックや一斉既読の対策

LINE公式アカウントを運営するうえで課題となるのがユーザーの「ブロック」です。ユーザーのニーズに合わないメッセージが頻繁に届くと、登録している必要性がないと判断されてしまい、通知オフやブロックにつながりやすくなります。

ID連携により、ユーザーごとに最適な情報を配信できるため、以下のような改善が期待できるでしょう。

 

  • ブロック率の低下
  • 配信コストの削減
  • メッセージの開封率アップ
  • 重要なお知らせの到達率向上

オンライン×オフライン(OMO)の実施

オンライン×オフライン(OMO)とは、ECサイトなどの「オンライン」と、実店舗などの「オフライン」をシームレスにつなぎ、どのチャネルを利用しても同じように快適な購買体験を提供するマーケティング手法です。

近年は、LINE公式アカウントのID連携を活用したOMO施策が増えており、顧客体験の向上とLTV(顧客生涯価値)の最大化を目指す企業にとって重要な取り組みとなっています。

LINEのID連携を組み合わせることで、以下のようなOMO施策が可能です。

 

  • LINE上で発行したデジタル会員証・ポイントカードを利用し、ポイント残高を店舗とオンラインで自動同期する
  • 実店舗とECサイトの購買データを統合し、オンラインの閲覧履歴にもとづいて店頭でおすすめ商品を接客時に提示する
  • 店舗で購入したユーザーへ3日後にECサイトで使えるクーポンを自動配信し、オンラインでの二次購入を促進する

 

このようにオンラインとオフラインのデータを一元化することで、顧客はどのチャネルを利用しても一貫したサービスを受けられるようになります。
企業側は効果的なクロスセル・アップセルにつなげやすくなるため、リピート率の向上やファン化の促進が期待できます。

LINE自動ログイン機能の活用

自社サービスへの「LINEでログイン」の実装は、ID連携を実現する代表的な方法の一つです。
自社サービスの会員IDとLINE User IDを安全に紐付けることができ、ワンクリックでログインできる(ソーシャルログイン)というメリットがあります。

会員登録やログインの手間が減ることで、新規会員登録のハードルが下がり、サービスの離脱率改善も期待できます。

LINEのID連携のやり方

LINEのID連携のやり方

LINEのID連携には、主に以下の3つの方法があります。

 

  • リッチメニューからLINEログインを促す
  • 自社サイトやWebアプリにソーシャルログインとしてLINEログインを導入する
  • Messaging APIを使って自社システムと直接連携させる


それぞれのやり方について、詳しく説明します。

LINEログイン(リッチメニュー)からID連携

LINEログイン(リッチメニュー)からID連携

引用:LINE DATA SOLUTION 「LINEのAPIを使ったID連携で実現できる新たな顧客体験

 

まずは、LINE公式アカウントのリッチメニューを活用したID連携のやり方です。
企業は、トーク画面下部のリッチメニューに「会員連携はこちら」「ID連携でクーポンGET」などのボタンを設置します。

ユーザー側の連携手順は以下の通りです。

 

  1. リッチメニューのボタンをタップ
  2. 表示されるLINEログインの同意画面で許可
  3. 自社サービスのログインページでID・パスワードを入力
  4. ID連携が完了


一度連携すれば、2回目以降はログイン情報を入力する必要がなく、LINEからワンタップで自社サイトやアプリにアクセスできます。日常的に利用されるLINEを起点にした導線は、リピート率の向上に効果的です。一斉配信やセグメント配信と組み合わせることで、既存顧客に効率良くアプローチできるでしょう。

LINEログイン(ソーシャルログイン)からID連携

LINEログイン(ソーシャルログイン)からID連携

引用:LINE DATA SOLUTION 「LINEのAPIを使ったID連携で実現できる新たな顧客体験

 

新規会員登録のハードルを下げたい場合は、Webサイトやアプリに「LINEでログイン」ボタンを設置する方法がおすすめです。
氏名・メールアドレス・パスワード設定など、通常の登録時に必要な入力を省略できるため、登録時の離脱を減らす効果が期待できます。

ログインシステムを自社で構築する必要がなく、LINEが提供する安全性の高い基盤を利用できる点もメリットと言えるでしょう。
特にECサイトや会員制サービスを運営する企業では、導入効果が出やすいID連携のやり方です。

Messaging APIでID連携

Messaging APIでID連携

引用:LINE DATA SOLUTION 「LINEのAPIを使ったID連携で実現できる新たな顧客体験

 

より高度な連携を求める場合は、Messaging APIを活用する方法があります。トーク画面でのやり取りに合わせてユーザーごとの「連携用URL」を自動生成し、そのまま連携を促すことができます。認証画面を省略できる場合もあり、スムーズな連携導線を作れるのがメリットです。

また、Messaging APIでは、ユーザーごとにリッチメニューの表示内容を出し分けられるため、以下のような細かな設定もできます。

 

  • 未連携のユーザーには「ID連携」ボタンを表示
  • 連携済みのユーザーには「会員証表示」など別のメニューを表示


連携後のデータを活用し、購入履歴や予約情報をトリガーとしたメッセージの自動配信も可能になるため、定期購入や予約管理など、ユーザーごとの対応が求められるビジネスにとって効果的です。

LINEのID連携の活用事例

LINEのID連携の活用事例

続いては、LINEのID連携を導入した企業がどのように成果を上げているのか、具体的な活用事例を紹介します。

ID連携ユーザーの月間平均来店数が約130%に(東急株式会社)

首都圏を中心にスーパーマーケット「東急ストア」を展開する東急株式会社は、日常的に利用されるLINEを顧客接点として位置付け、LINE公式アカウントの活用を強化しています。

既存のポイントカード「TOKYU POINT CARD」とLINEアカウントをID連携し、顧客の購買データとLINE上の行動データを統合することで、以下のようなデータ活用が可能になりました。

 

  • ユーザーごとの購買傾向を分析
  • 前月の買い物内容に合わせたクーポン配信
  • 特定カテゴリの購入有無に応じたメッセージ出し分け


ID連携を行ったユーザーには200ポイントを付与するキャンペーンを実施した結果、半年で8万人以上の連携ユーザーを獲得することに成功しました。データ統合にもとづいたパーソナライズ配信により、ユーザーの月間平均来店数は施策前の約130%に伸び、メッセージの開封率・クリック率も向上したと報告されています。

東急ストアの取り組みは、LINEのID連携により「データ統合→パーソナライズ配信→来店頻度増加」という理想的な流れを実現した事例と言えるでしょう。

出典:LINEヤフーfor Business「東急ストアがユーザーとの関係強化の基盤としてLINE公式アカウントを選んだ理由

ID連携によりユーザーのLTVが数倍向上(ELCジャパン合同会社)

スキンケア・メイクアップ・フレグランスなど、多彩なブランドを展開するELC(エスティローダー カンパニーズ)合同会社は、2013年からブランドごとにLINE公式アカウントを開設し、ユーザーコミュニケーションを強化しています。

 

同社は「LINE友だちを増やすことは長期的なLTV向上につながる」という考えのもと、

  • 店舗でのポップアップ設置
  • ECサイトへのLINEログイン導入
  • キャンペーン参加時のLINE連携導線の配置

 

など、さまざまなチャネルで友だち獲得とID連携を同時に推進してきました。

ID連携を促すサンプルプレゼントやスタンプラリーなどの施策を実施し、連携率を高める取り組みを継続した結果、あるブランドでは「ID連携済みユーザーのLTVが未連携ユーザーの数倍」という成果が出ています。

出典:LINEヤフーfor Business「自社EC購入者の1〜4割がLINE経由!LINE公式アカウントで実現するELCジャパンの「ソーシャルコマースエコシステム」

LINE公式アカウントのID連携を活用してビジネスを成長させよう

LINE公式アカウントのID連携を活用してビジネスを成長させよう

LINE公式アカウントのID連携は、顧客データの統合によるマーケティング精度の向上や、問い合わせ業務の効率化、実店舗・EC双方の売上向上など、多くの成果が期待できる重要な機能です。

しかし、実際にID連携を進めようとすると、「リッチメニューとソーシャルログインのどちらを使えば良い?」「Messaging APIをどう活用すれば自動化できるの?」「開発リソースが少なく、実装に時間を割けない…」などの課題に直面する方も多いでしょう。

LINEヤフー社の認定パートナーであるセプテーニグループのミロゴスでは、ID連携に必要な機能をパッケージ化した「かんたんID連携」を提供しています。

 

ID連携に必要な機能をテンプレート化し、追加開発を最小限に抑えることで、導入までの負担と期間を大幅に短縮します。通常、ID連携の実装には2〜4ヶ月かかるケースが一般的ですが、「かんたんID連携」なら最短2〜3営業日で導入が可能です。

また、確認画面を自由にカスタマイズできたり、顧客状態に合わせたセグメント配信や自動応答との組み合わせが可能だったりするため、実務的なメリットも得られます。顧客データを統合するだけでなく、LINE運用全体の質を引き上げることで、店舗やECの売上向上につながる顧客体験を設計しやすくなります。

LINE公式アカウントのID連携について、「最短で導入したい」「開発の負担を減らしたい」「より高度なデータ連携を実現したい」という場合は、ぜひのミロゴスにご相談ください。

 

 

 

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