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【後編】テアトルアカデミーのオーディション応募LP改善で、CVR最大1.36倍・6施策連続CVR向上を実現。セプテーニ×ビービットのCRO施策
Septeni FOCUS 編集部
前編では、株式会社テアトルアカデミーが直面していた「見えないLP離脱」の壁と、株式会社ビービットおよび株式会社セプテーニの行動分析によって明らかになった「応募をためらわせるユーザーの心理的ハードル」についてお伝えしました。
LP訪問者の行動データから見えてきたのは、実績の伝え方に対する課題や、オーディション・レッスンに対する未経験者特有の不安を解消する情報の不足、そして応募写真に対する高すぎるハードルでした。
後編となるこの記事では、導き出された分析結果をどのように具体的なLPデザインへと落とし込んでいったのか、その設計と実装のプロセスに迫ります。
全6回のLP施策で連続して成果を創出し、最大でCVR1.36倍という改善を実現した施策の裏側と、3社連携が描くCPOの先の未来について伺いました。
▼前編についてはこちらをご覧ください
【前編】テアトルアカデミーのオーディション応募LP改善で、CVR最大1.36倍・6施策連続CVR向上を実現。セプテーニ×ビービットのCRO施策
分析示唆を「刺さるLP」に変える。設計と実装のプロセス
―分析で特定された課題に対して、具体的にどのような改善施策を設計し、デザインに落とし込んでいったのでしょうか。

勝浦氏(ビービット):各LPの課題に対して、ビービットからは「ユーザーの不安を払拭し、期待に直感的に応える」ための大枠の方向性を提示しました。例えば、ファーストビューで実績を一目で伝えることや、審査基準・写真に対する心理的ハードルを下げるアプローチなどです。

松井(セプテーニ):ビービットさんからの改善案に対しては、こちらも納得したうえで「ではどうデザインに落とし込むか」を考えていきます。私はビービットさんとデザイナーの間に立ってディスカッションする役割ですので、分析の意図がデザインに正しく反映されるよう、認識の齟齬が起きないことを常に意識していました。
具体的な改修でいうと、大幅なデザイン変更というよりは「メリハリをつける」ことが中心です。
ベビーLPでは、知名度のある番組ロゴを配置し、「うちの子もこの番組に出られるかもしれない」と感じてもらえる設計に落とし込みました。
シニアLPでは、これまで顔写真が中心のカルーセルのレイアウトでしたが、ロゴ画像、ジャンル、顔写真、タレント名の順に情報の優先度を反転させました。また、ドラマ・CM・映画・広告・雑誌といったラベリングを加え、実績のジャンルが一目で分かる出演実績まとめコーナーを新設しています。
オーディションの流れパーツには審査内容・審査基準を追加し、「ありのままの個性を審査」「経験・年齢不問」というメッセージを組み込んでいます。ハードルとなっていた応募用写真については、要件を明示したうえで「自宅の壁を背に自撮りでもOK」などの具体例とイメージビジュアルを添える設計としました。
その他、大人LPではレッスンの振替などの具体的な学校・仕事との両立サポート情報を追加し、シニアLPではインタビューをより一般的なご経歴の方に差し替えました。
―ベビーLPでは、レッスン情報の扱いも議論になったと伺っています。
松井(セプテーニ):レッスンが充実しているのはテアトルアカデミーの強みですし、入れたほうが良いという意見もありました。1次改善ではまず入れてみたのですが、CVRの向上にはつながりませんでした。
浅井氏(テアトルアカデミー):ベビーのレッスンは実態としては月1回、しかも任意のため負担は決して大きくない。ところがLP上で「レッスンがあります」と打ち出すと、定期的に通わなければならないような印象を与えてしまいます。
育児で忙しい親御さんにとって、それは応募のハードルになります。仮説としてはもともとありましたが、今回のABテストで「やはりそうだった」と確認できたのは大きかったですね。
勝浦氏(ビービット):2次改善ではレッスン情報を外し、結果は改善しました。ABテストの結果に加え、スクロール率ごとのCVRデータを見ても、レッスンのパートがCVRに寄与していないことが読み取れたのです。
運営側がメリットだと考えている情報が、LP訪問者にとっては応募の障壁になっていた。「提供側の認識」と「訪問者の実感」のギャップをデータで浮き彫りにできたのは、今回のプロジェクトを象徴するエピソードだと思います。
―実装のプロセスについても教えてください。分析結果からLP公開まで、どのようなスピード感で進められたのでしょうか。

佐藤(セプテーニ):シニアLPの場合、分析から実装・公開まで約1ヶ月で完了しています。
ビービットさんからのレポーティングの後、セプテーニがデザイン案を作成し、ビービットさんに分析意図との整合性を確認いただいたうえで、テアトルアカデミー様に最終確認をいただくという流れで進めました。
このスピード感を支えたのは、社内の制作体制です。セプテーニグループにはSepteni Ad Creative株式会社というクリエイティブ制作に特化したグループ会社があり、経験豊富なデザイナーが多数在籍しています。
外部に発注する際に生じるコミュニケーションのロスがなく、分析結果を即座にデザインに反映できることが、迅速かつ質の高い実装につながっています。
勝浦氏(ビービット):セプテーニさんの実行力の高さは非常に助かっています。通常、分析から改善案をお出ししても、実装まで3〜4ヶ月かかったり、でき上がったものが方向性と少しズレていたりすることは珍しくありません。
セプテーニさんの場合、そのズレがなく、約1ヶ月で高いクオリティのものが仕上がってきます。スピードとクオリティの両方がそろっているのは、この協業体制ならではの強みだと感じています。
浅井氏(テアトルアカデミー):我々クライアント側としても、これだけ速く実装を進められたのは、データにもとづく根拠があったからこそだと考えています。「この数字を上げるためにこれをしたほうが良い」という思考の根拠があるからこそ、迷わずアクセルを踏み切り、スピーディーな決断ができる。それが今回の取り組みでもっとも実感したことです。
最大CVR1.36倍。全6本のLPで成果を生んだ分析の精度
―効果検証の結果について教えてください。
佐藤(セプテーニ):改善LPの効果検証は、ABテストツールを活用して既存LPと改善LPを同条件で比較する形で実施しました。
勝浦氏(ビービット):結果としては、想定以上の改善幅でした。セプテーニさんとのこれまでの取り組み全体でいえば、改善施策の成功率は8割以上に達していますが、今回のプロジェクトに関しては実施した全6本のLPにおいて、100%の確率で改善成果が出ています。
第1回のベビー記事風LPがCVR1.21倍、第2回のシニアLPが1.35倍、第3回の大人LPが1.19倍。さらに第4回のベビー記事風LPの2次改善が対1次版で1.21倍、第5回のベビー・キッズ統合LPが1.36倍で全LP中最大の改善、第6回のベビー漫画LPが対1次版で1.17倍。ここまでの改善幅が出るとは想定しておらず、データにもとづくこのアプローチの有効性を改めて確信しました。
―すべてのLPで成果が出ている再現性について、要因はどこにあるとお考えですか。

勝浦氏(ビービット):要因は大きく4つあると考えています。
1つ目は、繰り返しになりますがデータにもとづいた根拠のある提案であること。
2つ目は、自社の話にはなりますが、ビービットが20年間積み重ねてきたユーザー理解の型があること。データをどうユーザー視点で読み解くかという方法論が確立されているのは大きいと思います。
3つ目は、テアトルアカデミー様ご自身の強みが確かなものであること。業界トップクラスの実績とタレントを擁しているからこそ、その魅力をLP訪問者の懸念に合わせてきちんと伝えることで、成果につながったのだと考えています。
そして最後、4つ目は、先述の通りセプテーニさんのクイックで質の高い実行力です。
加えて、分析を重ねるごとに「オーディションに応募するユーザー像」が進化していったことで、再現性に繋がったと考えています。ベビーLPでは有名番組の実績を明確に打ち出すことが応募意欲の喚起に直結すると分かり、シニアLPでは単に有名なだけでなく実績のジャンルを示すことが重要だと分かった。
大人LPでは「通えるのか」という不安が加わり、さらにベビー・キッズ統合LPでは「通えるか」という不安は学生だけでなく、送迎する親御さんにもあるのではないかという仮説にまでつながった。テーマごとに新しい発見が積み重なり、ユーザー像の解像度が上がり続けたことが、全LPで成果を出せた土台になっています。
―佐藤さんは、この結果についてどのような所感をお持ちですか。
佐藤(セプテーニ):すべてのLPで改善成果が出たことは、非常に大きな手応えです。今回のプロジェクトはLP改善単体にとどまらず、そこから派生する施策展開にもつながっています。例えばMeta経由の訪問者に対する、広告からのLP誘導プロセスの最適化など、分析で得られたインサイトを広告運用側にもフィードバックしながら、応募獲得の仕組み全体を最適化していく取り組みが始まっています。
―数値面以外で、このプロジェクトを通じて得られた変化はありましたか。

松井(セプテーニ):クリエイティブ制作の現場にとって、LP訪問者の行動データを根拠に制作判断ができるようになったことは、大きな変化です。従来はどうしても制作者の経験や感覚に依存する部分がありましたが、「この訪問者はここで離脱している」「この情報が足りていない」というファクトがあると、デザインの判断に明確な軸が生まれます。この知見はテアトルアカデミー様の案件に限らず、ほかの案件にも活きている部分があります。
浅井氏(テアトルアカデミー):LPの改善は「やったほうが良い」と思いながらも、なかなか最優先に引き上げられずにいました。今回、数字にもとづいて仮説を組み立て、施策を実行し、想定通りの結果が得られるという一連のプロセスを経験したことで、この考え方と取り組みは永続的に必要なものだと確信しています。
情報の伝え方一つでこれだけ結果が変わるということです。LPに載せられる情報は限られていますし、多すぎても引き算が必要になります。その最大公約数をどうつかむかという問いに対して、今回のデータにもとづく仮説の立て方こそが、もっとも確度の高いアプローチだと実感しています。
LP改善の先へ——CROが拓く次のステージ
―今後、この取り組みをどのように展開していくお考えですか。
佐藤(セプテーニ):応募数の最大化は引き続き最重要のテーマですが、もう1つの軸として、広告投資の回収率を高めていくことにもコミットしていきたいと考えています。応募の獲得単価だけを見るのではなく、その先の来場率や入学率まで含めて、1人あたりの獲得コストを最適化していく。そのためにも、LP改善で得られたLP訪問者の行動データを、獲得以外の領域にも活用していくことが不可欠です。
テアトルアカデミー様には、広告運用からLP制作、サービス設計に至るまでセプテーニに幅広くお任せいただいています。それだけ我々の提案が事業に与える責任も大きいと捉えているからこそ、単なる広告運用にとどまらず、エンターテインメント業界の変化に合わせたサービスのレベルの提案にまで踏み込んでいきたいと考えています。
松井(セプテーニ):ビービットさんと一緒に取り組むなかで、改善の型がある程度確立されてきたのは大きな成果です。ただ、型が決まることは良い面もある一方で、作るLPが全部同じになってしまうリスクもあります。そこをどう打破して新しい見え方を生み出していくかが、我々の使命です。デザインチームとしては、データにもとづく改善の精度を保ちながらも、常に新しい表現にチャレンジしていきたいと考えています。
勝浦氏(ビービット):全6LPで成果を出せた背景には、ファクトにもとづいた提案と、それをクオリティ高く実装するセプテーニさんの力、その両軸がそろっていたことが大きいと感じています。この体制があるからこそ、今後の展開にも可能性を感じています。
USERGRAMのタグはLP・本体サイト・「スタマグ」に設置済みですので、広告経由のLP閲覧者だけでなく、「スタマグ」に自然流入している訪問者の行動も分析可能な状態にあります。今回のプロジェクトで蓄積されたサイト訪問者行動の知見は、LP・バナー・メールなど新しいコミュニケーションを設計するうえでの礎になります。
LPの改善にとどまらず、フォームの最適化、「スタマグ」記事の改善、来場率を高めるメール施策、入会後のLTV向上まで、行動データがある限り展開できる領域はまだ多く残っています。
―浅井様は、今後のパートナーシップにどのような期待をお持ちですか。

浅井氏(テアトルアカデミー):弊社は「エンターテインメントの総合商社」を自負しており、エンターテインメントにチャレンジしたい方への架け橋でありたいと考えています。ただ、エンターテインメントそのものが大きな過渡期にあります。コンテンツの幅が広がり続けるなかで、弊社の強みをどう届けるかは常に進化が求められるテーマです。
セプテーニには、弊社のことを十分に理解していただいたうえで、ビービットのようなパートナーとの連携も含め、ロジカルに、そして温度感を持ってご提案いただけています。単に広告で集客するだけでなく、「こういうサービスを作ってみてはどうか」「こういう届け方はどうか」という踏み込んだ提案までいただけるのは、非常にありがたいですし、今後もこうした関係を続けていきたいと思っています。
―最後に、セプテーニからCROに頭打ち感を覚えている読者の方々に向けて、メッセージをお願いします。

佐藤(セプテーニ):CRO(CVR改善)に課題を感じているクライアントは多くいらっしゃいますが、感覚に頼った改善では成果が安定しません。データで「なぜ」を明らかにし、それを確度の高い施策に変え、スピーディーに実装する。この一連のサイクルを回せる体制こそが、頭打ちを突破するカギだと考えています。
LP訪問者の行動を丁寧に追うことで、「何をどう変えれば良いのか」は必ず見えてきます。各社様の状況に応じたご提案が可能ですので、ぜひお声がけください。
執筆者
Septeni FOCUS 編集部
「Septeni FOCUS」は、Septeni Japan株式会社が運営するマーケティング担当者のためのメディアです。
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