2026.4.15

【セミナーレポートvol.3】メディキュットがTikTok Shop のショッピングLIVEで売上を創出できた理由~『売れる企画』と『集客』の両輪を回したセプテーニの秘策~

Septeni FOCUS 編集部

【セミナーレポート】メディキュットがTikTok Shop のショッピングLIVEで売上を創出できた理由~『売れる企画』と『集客』の両輪を回したセプテーニの秘策~

日本のEC市場に新たな波を起こし、注目を集める「TikTok Shop」。そのなかでも売上を牽引する「LIVE配信(ショッピングLIVE)」について、多くの企業担当者からは「自社アカウントにフォロワーがいないため、LIVE配信を実施しても意味がないのではないか」「クリエイターによる配信に依存すると固定コストがかさむ」「有名クリエイターに依存せず、自社アカウント主導で売上を作る方法がわからない」といった悩みの声が上がっています。


こうした課題に対し、セプテーニは2026年1月29日、リアルセミナー『エンタープライズ特化のTikTok Shop活用攻略方法』を開催しました。本記事では、同セミナーの第三部「メディキュットがTikTok ShopのショッピングLIVEで売上を創出できた理由~『売れる企画』と『集客』の両輪を回したセプテーニの秘策~」の模様をレポートします。


本セッションでは、セプテーニが支援するレキットベンキーザー・ジャパン株式会社(以下「レキットベンキーザー・ジャパン」)のご担当者様をゲストとして迎え、着圧ソックスブランド「メディキュット」がいかにして自社アカウント経由のLIVE配信を中心にTikTok Shopで大きな売上を作れたのか、その舞台裏が明かされました。フォロワー数が少ない状態からでもブレイクスルーを起こせる「売れる企画」と「集客」の両輪を回す秘策、そして実践的なヒントを紐解いていきます。

目次

登壇者紹介

本セッションには、プロジェクトを牽引した3名が登壇しました。

メディキュットがTikTok Shop のショッピングLIVEで売上を創出できた理由~『売れる企画』と『集客』の両輪を回したセプテーニの秘策~

国内のディスカバリーEコマース拡大を見据えた早期参入

レキットベンキーザー・ジャパンは、イギリスに本拠を置く外資系の消費財メーカーです。日本で展開する主要ブランドには、着圧ソックスの「メディキュット」、ハンドソープの「ミューズ」、食洗機用洗剤の「フィニッシュ」、そして最近ローンチした「バニッシュ」などがあります。現在は全ブランドをTikTok Shopに出品していますが、そのなかでも「メディキュット」の売上がもっとも顕著に伸びています。

 

同社はTikTok Shopが2025年6月に国内でローンチされた直後、非常に早い段階で自社アカウントを立ち上げ、まずはメディキュットでの運用を開始。当初はショート動画などで試行錯誤を繰り返していましたが、9月時点で実施したLIVEのテスト配信で大きな可能性を感じ、LIVE配信強化へとシフトし、リソースを集中させました。現在は月間40時間ほどのLIVE配信を実施し、メディキュット以外の他ブランドへの横展開も進めています。


川端氏が早期参入を決めた理由は2点ありました。1点目は、メディキュットのターゲット層とTikTokのユーザー層が非常にマッチしており、勝ち筋があると考えたこと。2点目は、海外のトレンドを鑑みた際、日本でも従来型のEコマースから、TikTok Shopのような「ディスカバリーEコマース」へシフトするときが必ず訪れると確信していたことにあります。

ショート動画の苦戦を乗り越え、売上の75%をLIVE経由で創出

早期参入の恩恵について、川端氏は「最初から順風満帆だったわけではなく、早めにナレッジを溜められた点が大きい」と語りました。セプテーニとしても当初はショート動画経由での売上が伸びるという見立てでしたが、幅広く手法を試すなかでLIVE配信を通じた販売個数やGMV(流通取引総額)が増えてきたといいます。

 

それを受け、8、9月ごろからLIVE配信にフォーカスした結果、昨年の実績ではTikTok Shop経由で売上1,200万円以上、販売数4,000個超という大きなインパクトを残し、その売上の75%がLIVE配信経由で創出されました。

ショート動画の苦戦を乗り越え、売上の75%をLIVE経由で創出

LIVE配信においてレコメンドシステムを味方につけるには

LIVE配信を強化する上で重要視したポイントについて、安藤は「とにかくPDCAを高速で回し、1回のLIVE配信から得られるラーニング(学び)を最大化すること」を挙げました。


(安藤)「具体的には、集客の面でどの広告プロダクトをどうプランニングするか、パターンを変えて検証を重ねました。LIVE配信終了後には、即座に川端氏と振り返りを行い、次回の配信に反映させるサイクルを徹底しました。」


川端氏は、TikTok Shopにおける売上を、「流入数」「視聴維持率」「GMV」の変数の掛け合わせであると分析しました。


(川端氏)「『視聴維持率』を向上させるためには、より長く視聴してくれるユーザーを集客すべく、レコメンドシステムを加味した広告運用が必要です。一方で『流入数』を増やすには、質より量を重視した広告メニューを使うなど、各指標に対して異なるアプローチで全体最適を図ったことが成功の鍵となりました。」

エンゲージメントを最大化する「売れる企画」と「集客」の両輪戦略

エンゲージメントを最大化する「売れる企画」と「集客」の両輪戦略

(仙波)「セプテーニが考えるLIVE配信において重要な要素は『売れる企画』と『集客』の両輪を連動させることです。「企画」には商品選定、LIVE配信の構成、オファー(価格設定やバンドル販売)設計が含まれ、「集客」には広告運用や事前の告知動画を活用します。」


仙波はLIVE配信成功のポイントを4つ挙げました。


ポイント①:企画
セプテーニの支援体制として、LIVE配信前には企画・台本・バナー作成・オペレーションを行い、配信中にはディレクションや「モデレーション」を担当します。「モデレーション」とは、いわば「天の声」のような役割であり、バラエティ番組のMCのように配信をスムーズに回すファシリテーションを指し、もっとも重要な要素の一つです。

また、企画において特に重視しているのは、一方的な紹介ではなく、双方向の「体験価値」です。視聴者がコメントしたくなる仕掛けを組み込み、リアルタイムにコミュニケーションをとることでエンゲージメント(いいねやコメント)を促すことは、レコメンドシステム上非常に重要となります。


実際のメディキュットの企画書では、5分、10分単位で非常に細かく構成が組まれています。


(安藤)「TikTokのLIVE配信の平均滞在時間は1〜2分程度と短いため、短いサイクルで繰り返し訴求することが売上に繋がりやすくなります。」

一方的な紹介ではなく、双方向の「体験価値」を創出

また、配信画面上に「最大◯%オフ」や「サイズ表記」などのバナーやステッカーを設置し、視覚的にリッチな画面作りもサポートしています。画面が表示された瞬間にユーザーの興味を引き、視聴の手を止めてもらう効果が期待できます。あわせて、配信の途中から入ってきたユーザーにも適切に訴求を行うことができます。

グリーンスクリーン、ステッカー

ポイント②:集客ノウハウ

TikTok Shopへの集客には、事前にLIVE配信を告知するカウントダウン動画と広告プロダクトの掛け合わせが肝となります。特に「GMV Max」というTikTok Shop専用の広告プロダクトを有効活用し、購入に最適化させて露出を増やしています。

Tik Tok Shop専用の広告プロダクト「GMV Max」の有効活用

ユーザーの購買意欲に火をつける「天の声」

ポイント③:LIVEの進行・モデレーション
川端氏は、「モデレーター(天の声)」の重要性を高く評価しました。「モデレーターがいることで、LIVE配信が盛り上がっている演出が可能になり、視聴者数やコメント数の増加、ひいてはレコメンドシステムのブーストにつながります。また、進行をモデレーターに任せることで、出演者は商品知識の紹介に集中できるというメリットもあります。」


モデレーターは、TikTok上での買い物に慣れていないユーザーに対し、「買い方が分からない」というコメントを即座に拾って説明したり、売れた瞬間に「今購入いただきました!」「〇〇さん、ご購入ありがとうございます!」と紹介したりすることで、購買の最後の一押しをしています。

 

こうしたインタラクティブなコミュニケーションを実現できるのが、モデレーターを立てる利点です。そして、セプテーニでは、ネガティブなコメントへの対処法や盛り上げ方もマニュアル化してサポートしています。

ユーザーの購買意欲に火をつける「天の声」

満足度と利益を両立させる、「限定〇個」のリアルタイム演出

ポイント④:TikTok Shop特化型プロモーション
TikTok Shop特有の購買体験「ディスカバリーEコマース(動画の視聴中に、興味のある商品を偶然発見し購買すること)」において、衝動的な購買意欲を押し上げるには、「今すぐ買う理由」につながる割引設定やまとめ買いのセット販売を戦略的に設計することが重要となります。メディキュットの事例では、限定価格やバンドル販売(セット商品)、シーズナルイベントのバナーなどを活用しました。

満足度と利益を両立させる、「限定〇個」のリアルタイム演出

川端氏は、TikTok Shopは単に値引きすれば売れるわけではなく、「限定感」「サプライズ感」「ワクワク感」が重要だと指摘しました。


セット販売は利益率が低くなりやすいですが、事前に商品ごとの利益率を計算し、「1回の配信で何個までなら限界利益を下回らないか」という基準を設けています。例えば、人気の高い商品は「限定10個のみ」とし、配信中に「残り9個です」とリアルタイムで実況することで、顧客満足度と利益性の両立を図っています。

月40時間の配信を支える「ファンづくり」

現在、月間40時間近いLIVE配信を行うなかで、リソースの負荷をどう分散させているのか。川端氏は、社内の別部署のメンバーの協力を得ていると明かしました。そのための工夫として、全社集会などで進捗や成功事例を定期的に報告し、社内でTikTok Shopのプレゼンスを上げる社内ブランディングを実施。

 

「LIVE配信をやってみたい」という社員を増やし、協力してくれるファンを社内で作る努力を継続しています。

TikTok Shopへの取り組みが組織に生んだ、副次効果

この半年の取り組みで得られた資産として、川端氏は以下の3つを挙げました。


1.若年層ユーザーへのリーチ: 若い世代にリーチするメディアとしてTikTokが有効であることを証明できた。


2.顧客の声の直接的なキャッチ: LIVEを通じて商品の細かな魅力を伝えられるようになっただけでなく、「身長◯センチだがどのサイズが良いか」といった質問から、他ECサイトのサイズ表の改善や商品パッケージのマーケティングフィードバック・改善に繋げるというサイクルが生まれた。


3.組織構造の変革: TikTok Shopが認知から購買までをカバーするため、営業部とマーケティング部がより一枚岩になった。川端氏が両者の間に位置することで、コミュニケーションの触媒としての役割を果たしている。

TikTok Shopをサステナブルなビジネスモデルへ

今後の展望として川端氏は、TikTok Shopを「サステナブルなビジネス」にしたいとの考えを示しました。現在は投資フェーズですが、今後は利益率の改善も不可欠です。LIVE配信で売上のトップラインを引き上げつつ、ストック型モデルであるショート動画を量産することで利益性を改善していく、バランスの取れた体制構築を見据えています。


また、セミナー来場者へのアドバイスとして「アジャイルなスタンス」の不可欠さを説きました。TikTokは機能アップデートもトレンドの移り変わりも非常に早いため、最初に決めた戦略に固執せず、状況を見て柔軟かつスピーディーに方向転換できるメンタリティを持つことこそが、成功への近道であると締めくくりました。


【参考】セミナー来場者アンケート結果まとめ
本セミナーの開催後、参加した企業担当者を対象に実施されたアンケート結果では、TikTok Shopに対する期待と課題が浮き彫りになりました。


関心の高いサポート内容: 特に「集客(LIVE配信)」および「オペレーション」に関する相談意向が高く、次いで「集客(ショート動画)」に注目が集まりました。メディキュットの事例で示されたLIVE配信の売上インパクトに対する関心の高さが伺えます。


抱えている課題と不安: 
 ・導入済み企業: 「投資対効果の明確化」や「LIVE配信のGMVの伸び悩み」が主な課題として挙げられました。
 ・導入検討中の企業: 「社内調整」や「ブランド価値への影響」、「クリエイターコントロールの難しさ」を懸念する声が多く見られ、参入にあたっての説得材料やクオリティ担保の手法が求められています。


セプテーニでは、これらのフィードバックに基づき、各企業に合わせた最適なTikTok Shop活用支援を引き続き強化してまいります。TikTok ShopのショッピングLIVEでの売上最大化に向けた具体的な戦略や、社内体制の構築について、より詳細な情報やご相談をご希望の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事をシェア

  • Facebookでシェアする
  • Xでシェアする
  • はてブでシェアする
  • URLをコピーしました

執筆者

Septeni FOCUS 編集部

「Septeni FOCUS」は、Septeni Japan株式会社が運営するマーケティング担当者のためのメディアです。