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縦型動画の作り方とは?最適なサイズやテロップ、編集のコツを解説

作成者: Septeni FOCUS 編集部|2025.11.14

TikTokやInstagramのストーリーズ・リール、YouTubeショートなど人気が高まるなか、縦型動画の需要は企業マーケティングの分野でも急速に拡大しています。
スマートフォンでそのまま見られる手軽さがメリットであり、エンゲージメントを高める手法として注目度が高いです。

しかし、社内に縦型動画の制作ノウハウがある企業はまだ少なく、「縦型動画の作り方が分からない」「どのサイズが最適なのか分からない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ビジネスシーンで活用できる縦型動画の作り方、サイズ設定やテロップ・BGMの入れ方といった編集のコツを分かりやすく解説します。

 

※こちらの記事は2025年11月7日時点での情報です。

縦型動画とは

縦型動画とは、スマートフォンを横向きにせずに、縦向きのままで視聴できる動画形式を指します。
一般的に採用されるアスペクト比は9:16で、スマートフォンの画面全体に表示されるのが特徴です。

従来、動画といえばパソコンやテレビでの視聴を前提とした横型フォーマットが主流でした。
しかし、スマートフォンの普及を背景に、横向きに回転させる手間がかからない縦型動画の需要が急速に高まっています。

縦型動画は、特にTikTokやInstagramのストーリーズ・リール、YouTubeショートなどのSNSプラットフォームで多く利用されています。

また、画面占有率が高くユーザーの目を引きやすいため、タイムライン上やストーリーズの合間に表示される「縦型動画広告」を活用する企業も増えています。

縦型動画が流行している背景

縦型動画が急速に広まった背景には、スマートフォンの普及とSNSの進化があります。

スマートフォンを縦に持ったまま閲覧できる手軽さが支持され、ユーザーの視聴スタイルそのものが縦向きに変化しました。

また、TikTokやInstagramなどの主要SNSが、縦型動画に最適化された機能を導入したことも要因の一つです。

 

具体的には、下記のようなコンテンツが縦型動画で楽しまれています。 

  • TikTok投稿

  • Instagramのストーリーズ・リール投稿

  • YouTubeショート

  • 専用アプリで配信されるショートドラマ など

 

通勤や休憩中といったすきま時間に楽しめる縦型動画コンテンツは、年代を問わず多くのユーザーに親しまれています。

縦型動画を作るメリット

「縦型動画=若者がSNSにアップしている動画」と思われがちですが、現在では企業の広告やプロモーション動画、採用動画などにも幅広く活用されるようになりました。

特にスマートフォンでの視聴が主流となった今、画面サイズに合わせた縦型動画を制作・配信することは、企業のマーケティング戦略にも欠かせない存在となっています。
続いては、企業が縦型動画を作る具体的なメリットを見ていきましょう。

スマートフォンで簡単に視聴できる

縦型動画の最大のメリットは、スマートフォンでストレスなく視聴できることです。
端末を横に持ち替える必要がなく、片手で手軽に見られるため、視聴のハードルが低くなります。

また、スマートフォンの画面に最適化された縦型動画は、通勤時間や休憩中など「ながら視聴」に適しており、InstagramのリールやYouTubeショートのような短尺フォーマットとの相性も抜群です。
結果として、視聴者の滞在時間やリーチ数が増え、新たな層へのアプローチがしやすくなります。

SNSでのエンゲージメントが高い

縦型動画は、SNS上で高いエンゲージメントを得やすい点も大きな魅力です。
特に、縦型ショートドラマは、スマートフォンの画面全体に表示されるため、没入感が高まり、ユーザーが離脱しにくくなります。
また、InstagramやYouTubeの縦型動画の投稿は多くのコメントが集まりやすく、再生回数やシェア率も上がりやすい傾向があります。

制作・編集のハードルが低い

縦型動画は、スマートフォン1台で撮影から編集、投稿まで完結できる点も魅力です。
特別なカメラや編集ソフトを用意しなくても、アプリを使えば誰でも簡単に仕上げられます。

SNSの動画広告やキャンペーン用素材として量産しやすく、短時間でトレンドに合わせた発信が可能です。
低コスト・短納期で運用でき、スタートアップ企業や個人クリエイターからも人気を集めています。

縦型動画の作り方とポイント

続いては、縦型動画の基本的な作り方と、押さえておきたいポイントをいくつか紹介します。

フレームの推奨サイズは「9:16」

縦型動画を制作する際、最初に押さえておきたいのがアスペクト比と解像度です。
一般的には、縦型動画の標準的なアスペクト比は9:16で、解像度としては 1080×1920ピクセルが広く推奨されています。

ただし、配信先のSNSプラットフォームによっては、異なる比率や解像度が設定されている場合があり、注意が必要です。

【SNS別・縦型動画の推奨サイズ】

SNS

推奨アスペクト比

推奨解像度

TikTok

9:16

1080×1920ピクセル

YouTubeショート

9:16

1080×1920ピクセル

Instagramストーリーズ

9:16

1080×1920ピクセル

Instagramリール

9:16

1080×1920ピクセル

Instagramフィード

4:5

1080×1350ピクセル

Instagramカルーセル

4:5(縦長)

または1:1(正方形)

1080×1350ピクセル

または1080×1080ピクセル

Instagramのストーリーズやリールなど、スマートフォンを縦向きで全画面表示するフォーマットでは、9:16比率が基本として使われます。

一方で、Instagramのフィードやカルーセルのように、全画面表示ではないフォーマットでは4:5や1:1という比率も使われています。
そのため、投稿先の推奨サイズや解像度を事前に確認することが重要です。

余白を埋める

スマートフォンで撮影した動画をパソコンに取り込んで編集する場合、フレーム比率が合っていないと上下に余白が発生しやすくなります。

余白をそのまま投稿すると違和感が残ってしまうため、動画編集ソフトを用いてテロップや背景をプラスし、見やすさを調整するのがポイントです。

 

  • 背景にブランドカラーやぼかし背景を使って自然に埋める

  • 余白部分を活用してロゴやテロップ、字幕を配置する

  • グラフィックやアニメーションを追加して動きを出す

 

このような編集で余白を埋めることが、視聴者の印象を向上させることにつながります。

冒頭2~3秒のインパクトが大事

縦型動画において、最初の2~3秒は視聴完了率を大きく左右する重要な時間です。

スマートフォンユーザーは動画をスクロールしながら選ぶことが多いため、気軽に視聴してもらえる一方で、スキップされるリスクも高くなります。
手を止めて視聴してもらうには瞬時に目を引く演出が重要です。

冒頭で興味をつかむ演出があると、その後の視聴維持率が高まり、結果としてエンゲージメントや拡散性が向上しやすくなります。

動画の長さは15秒~1分

縦型動画は、ユーザーの興味関心を持続しやすい短尺が基本です。
SNS投稿用や広告用では15秒~1分程度、没入感が高いショートドラマでも1本あたり1〜2分程度が目安となります。
横型動画と比較すると非常に短いため、不要なシーンは省き、伝えたい情報をテンポ良く入れ込みましょう。

横型動画をリサイズする

すでに自社のYouTubeなどで横型動画をアップロードしている実績がある場合、既存の動画を縦型に再編集することも可能です。
ただし、動画の左右部分がカットされやすいため、被写体がフレームアウトしないように注意しましょう。

テロップや字幕の位置についても、縦型のアスペクト比に合わせた再編集が必要になります。
動画の長さも、縦型動画に合わせた15秒~1分の尺に変更するのがおすすめです。

縦型動画を撮影・編集するコツ

続いては、縦型動画を撮影・編集する際に意識したい6つのコツを紹介します。

単に縦型で撮るだけではなく、スマートフォンでの視聴に適したサイズや構図、テンポ、BGMやテロップなど、細かい点に配慮することで、より効果的な動画制作が可能です。

三脚やジンバルで手ブレ防止

スマートフォンでの手持ち撮影は、どうしてもブレが目立ちやすくなります。
映像が揺れると視聴者に不快感を与え、離脱につながることもあるため、三脚やジンバルを使用して手ブレを防ぎましょう。

特に、縦向き撮影では重心が不安定になりやすいため、スマートフォンホルダー付きの三脚を使用するのがおすすめです。
被写体を追う場合は、ジンバルの自動追尾機能を活用すれば、滑らかな動きのある映像を撮影できます。

自然光・照明で明るさをコントロール

映像の明るさは、縦型動画の印象を大きく左右します。
撮影時には自然光や照明で、十分な明るさを確保しましょう。

屋外撮影では直射日光よりも、曇りの日や日陰の柔らかい自然光を利用すると、肌や商品の質感が自然に映ります。
屋内撮影ではリングライトやLEDライトを使って明るさを補い、顔の影を軽減しましょう。

照明が一方向に偏るとコントラストが強くなりすぎるため、レフ板や白い壁を使って光を拡散させると、バランスの取れた映像に仕上がります。

テンポとリズムで飽きさせない構成

縦型動画の視聴完了率を高めるためには、テンポ良くストーリーを展開していくことが大切です。

冒頭2~3秒で視聴者の関心を引く演出を入れ、無駄のない構成を意識しましょう。
シーンごとに構図やカットを切り替え、テンポを保つことで、最後まで見てもらいやすくなります。
また、BGMや効果音のリズムに合わせて編集すると、短尺でもまとまりのある動画になるでしょう。

BGM・効果音をアクセントに

BGMや効果音は、縦型動画の印象を高める重要な要素です。
トレンドの音源やプラットフォームで人気のBGMを活用すると、SNS上でおすすめに表示されやすくなり、再生回数が伸びる可能性が高まります。

また、映像のテンポやテロップの動きに効果音を合わせることで、視聴者の注意を引きつけ、より印象に残りやすくなります。
ただし、BGMが大きすぎるとナレーションが聞き取りにくくなるため、音量のバランスを整えることが大切です。

テロップ・字幕を効果的に活用

縦型動画は、音声をオフにして視聴するユーザーも多いため、テロップや字幕を活用し、音がなくても内容が理解できるように工夫することが大切です。

動画の冒頭でタイトルや要点を大きく表示すると、何の動画か一目で伝わります。
フォントや色を統一し、ブランドイメージに合ったデザインにすることで、視認性と統一感のある映像に仕上がるでしょう。

バズり動画を参考にする

SNSで人気のバズり動画を参考にするのもおすすめです。
再生数が多い動画の構成やBGM、カメラワークを分析することで、視聴者がどんな要素に反応しているのかが分かります。

ただし、完全に真似をするのではなく、自社ブランドや目的に合わせてアレンジを加えることが大切です。
トレンドを取り入れつつ独自の個性を表現することで、記憶に残る動画を作りやすくなります。

縦型動画に使える!おすすめ編集アプリ&ソフト7選

続いては、9:16サイズの縦型動画を簡単に作れるおすすめ編集アプリ・ソフトを7つ紹介します。
動画制作の初心者や中級者、横型動画をリサイズしたい方まで、幅広い層が使いやすいアプリ・ソフトを厳選しました。

CapCut(キャップカット)

「CapCut(キャップカット)」は、TikTokの運営会社であるByteDance(バイトダンス)社が開発した動画編集アプリです。

9:16のテンプレートやSNS用プリセットを標準装備しており、動画広告編集の経験や専門性の有無に関わらず、誰でも手軽にTikTok動画の制作が可能です。

字幕・テロップ・エフェクト・音楽・トランジション・テンプレートも豊富で、初心者でも比較的短時間で縦型動画を仕上げられるでしょう。

InShot(インショット)

「InShot(インショット)」は、スマートフォンで縦型動画を編集できるアプリです。
9:16、4:5、1:1など、複数のアスペクト比に対応しています。

操作性も直感的で、動画のトリミングや音声ナレーション・テロップの挿入・BGM追加などが簡単にできるため、初心者でも使いやすいでしょう。
「横型動画を縦型に再編集したい」「今すぐにSNS投稿用動画を作りたい」というケースでも役立ちます。

VLLO(ブロ)

「VLLO(ブロ)」は、スマートフォンだけで編集作業が完結できる動画編集アプリです。
9:16だけでなく、カスタムフレームも扱いやすいため、構図・デザインにこだわりたい場合に適しています。

ガイドやテンプレートも充実しているため、初心者でもTikTokやInstagramのリール投稿用の縦型動画を簡単に制作できます。

KineMaster(キネマスター)

「KineMaster(キネマスター)」は、9:16、1:1、4:5など多様なアスペクト比に対応した動画編集アプリです。
直感的な操作でプロレベルの編集ができるため、世界中のクリエイターやマーケターに利用されています。

音声から自動で字幕を生成できる自動キャプション機能を備えており、ナレーション付きの動画やSNS投稿用コンテンツの制作に向いています。

初心者でも扱いやすく、テンプレートやエフェクトも豊富なため、スピーディーに高品質な動画を仕上げたい方におすすめの編集アプリです。

Canva(キャンバ)

「Canva(キャンバ)」は、デザイン初心者でも扱いやすいPC・スマートフォン対応の編集ツールです。
画像だけでなく動画編集機能も備えており、縦型動画のテンプレートも多数そろっています。

InstagramのリールやTikTokに使える9:16のデザインが初めから用意されているため、サイズやテロップの配置を意識せずにスタートできるでしょう。SNS用動画の自動リサイズも可能です。

PowerDirector(パワーディレクター)

「PowerDirector(パワーディレクター)」は、PC・スマートフォンに対応した本格動画編集ソフトです。
アスペクト比9:16の縦型動画の編集にも対応しており、AI字幕生成や背景除去、クロマキー合成など、高度な機能も備えています。

企業のプロモーション動画制作にも使えるプロ仕様の動画編集ソフトですが、横型動画のリサイズ時には、構図変更や被写体の再配置のサポート機能があり、初心者でも利用しやすくなっています。

ただし、機能が豊富な分インターフェースがやや複雑で、編集に慣れないうちは操作に時間がかかる可能性もあります。

GoPro Quik(ゴープロクイック)

「GoPro Quik(ゴープロクイック)」は、アクションカメラメーカーであるGoProが提供する動画編集アプリです。
PC・スマートフォンともに対応しており、アクションカメラで撮影した動画の編集・管理に活用できます。

9:16へのリフレーム機能が備わっているため、GoProで撮影した横型動画を縦型にリサイズすることも可能です。
音楽シンク、自動ハイライト生成などの自動機能も備えており、撮ってすぐSNS用に仕上げたい時に重宝します。

ただし、高度なテロップ配置や色補正、細かい編集には向いていません。
SNS投稿用など、撮影したアクション映像をスピーディーに縦型動画に仕上げたい場合に適しています。

クオリティの高い縦型動画制作なら制作会社の活用もおすすめ

縦型動画は、スマートフォンで手軽に撮影・投稿できる点が魅力です。
社内で制作することも可能ですが、企業のSNS投稿や広告配信など、ビジネス目的で活用する場合はプロの制作会社に依頼することをおすすめします。

構成・撮影・編集まで制作会社に一貫してサポートしてもらえるため、見やすく洗練された仕上がりが期待できます。
最適な構図設計やテロップ配置、照明や音声バランスなど、細部まで考え抜かれた動画を制作できるでしょう。

近年はSNS運用や分析まで対応する制作会社も増えており、投稿後の反応をもとに改善提案を行うなど、戦略的なサポートを受けられます。

また、縦型動画の種類の一つに「ショートドラマ」があります。
ショートドラマとは、1〜2分程度の短い物語形式で展開される動画コンテンツのことです。

ストーリーに自社の商品やサービスを自然に組み込み、広告感を抑えながらブランドメッセージを伝えられるため、企業PRに効果的な手法として注目度が高いです。
若年層を中心にSNSでの拡散効果も高く、企業のブランディングや認知度向上が期待できます。

ただし、ショートドラマ制作は脚本・キャスティング・撮影・編集・配信設計といった工程が多く、社内だけで完結させるのは難しいのが実情です。

制作会社なら、縦型動画に適した画面構成や視線の誘導、テロップ配置などを熟知しており、プロのノウハウをもとに高品質な映像を提供してくれます。

 

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縦型動画を効果的にマーケティングに活用しよう

縦型動画は、スマートフォンを横向きにしなくても快適に視聴できる動画コンテンツです。
近年では、TikTokやInstagramのストーリーズやリール、YouTubeショートなど、主要SNSの多くが縦型サイズに最適化されています。

縦型動画は、スマートフォンの画面全体を使って情報を伝えられるため、没入感が高く、視聴完了率やエンゲージメント率も高い傾向にあります。

また、スマートフォンだけで縦型動画の撮影・編集ができるアプリやソフトも多く、個人クリエイターだけでなく、企業が自社PRや採用プロモーションなどに活用するケースも増えています。

ただし、SNS時代の今、企業アカウントではすでに高品質な縦型動画が数多く投稿されており、単に縦向きに撮影した動画をアップするだけでユーザーの関心を引くのは難しいのが現状です。

縦型動画をマーケティングへ活かすには、動画の編集方法だけでなく、テロップ・BGMの使い方など、効果的な編集をするコツを押さえておくことが重要です。

セプテーニグループでは、縦型動画マーケティングに特化した制作サポートを行っています。
特に2〜3分程度のショートドラマ形式のコンテンツ制作に強みを持ち、TikTokを中心とした企業PRショートドラマの累計再生回数は1億回(※)を突破しています。

※2022年12月18日から2025年7月31日までの集計結果

 

ユーザーの共感を呼ぶストーリーと印象に残りやすい縦型動画で、広告感を抑えた自然なブランド訴求を可能にし、多くの企業様から高い評価をいただいています。

縦型動画をマーケティングに活用したい方は、ぜひセプテーニグループまでご相談ください。