ショートドラマとは?Z世代に人気の理由やビジネスモデル、成功事例を紹介
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                Septeni FOCUS 編集部
 
            
            SNSやYouTubeなどで人気を集める「ショートドラマ」は、Z世代を中心に急速に広がっています。
数分の短い動画で共感や感動を生み出すストーリー展開が特徴で、エンタメとしてだけでなく、企業のPRや採用ブランディング、自治体のプロモーションなど、幅広い分野で活用されています。
この記事では、ショートドラマがZ世代に支持される理由や、その背後にある市場規模やビジネスモデル、ショートドラマを活用した企業PRの成功事例を紹介します。
※こちらの記事は2025年〇月〇日時点での情報です。
ショートドラマとは?

ショートドラマとは、1話あたり数十秒から数分で完結する短編ストーリー形式の動画コンテンツです。
TikTokやYouTubeショート、InstagramリールなどのSNSで配信されることが多く、テンポの良い展開と感情を揺さぶる演出で視聴者を引きつけます。
最近では、専用アプリ「BUMP」や「DramaBox」など、ショートドラマ専門の配信サービスも登場しています。
一般的なショート動画が情報発信や娯楽要素を中心としているのに対し、ショートドラマはセリフ・構成・演技によって短時間で物語を完結させる点が特徴です。
恋愛・サスペンス・ヒューマンドラマなどジャンルも幅広く、Z世代を中心に「短いけれど感動できる」と支持を集めています。
元々は中国の微短劇(マイクロドラマ)文化から広まり、日本でも2023年頃から人気が急上昇しました。
2024年以降はテレビ局や広告代理店、映画制作会社などもショートドラマに参入し、企業PRや採用ブランディングなど、ビジネス領域でも活用が進んでいます。
ショートドラマは短尺ながら高クオリティな映像表現ができ、今後さらなる拡大が期待されています。
ショートドラマがZ世代に人気の理由

ショートドラマは、Z世代(1990年代後半〜2010年代前半に生まれた若者世代)を中心に爆発的な人気を集めています。
短時間で感情を動かし、SNSを通じて拡散されやすい構成が特徴です。
ショートドラマがZ世代を引きつける理由としては、以下の3つが挙げられます。
1話1~2分で完結する短い尺
ショートドラマは、1~2分ほどの短い時間で起承転結のある物語が描かれます。
Z世代は、動画やSNS、音楽など多くの情報を並行して消費する「マルチタスク世代」であり、いわゆる「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する傾向が強いです。
短い時間で感動や笑い、驚きを得られるショートドラマは、Z世代にとってまさに理想的なコンテンツであり、YouTubeショートやTikTokなどで連続視聴しやすい点も人気を後押ししています。
スマホにフィットする縦型設計
ショートドラマの多くは縦型動画として制作されており、スマホでの視聴に最適化されています。
画面を横にする手間がなく、ベッドの上や通学・通勤中、勉強の休憩時間など、スキマ時間にサッと視聴できる利便性も、Z世代に支持される理由の一つです。
縦型画面に合わせて、登場人物の表情や感情の変化を大きく映し出す設計により、視聴者がより物語に感情移入しやすいという効果もあります。
共感できるリアルなストーリー
Z世代に人気のショートドラマは、日常や恋愛、友情、将来への不安など、リアルなテーマを扱うものが多いです。
冒頭の数秒で視聴者の心をつかむ構成や、「あるある!」と共感できる展開など、始まり方や題材選びに工夫が凝らされています。
恋愛や就職、進路の悩みや友人との喧嘩といった、視聴者自身の経験に重なる場面が多く登場するのも特徴です。
また、Z世代が共感しやすい自然な会話や現代的な演出が取り入れられており、「自分ごと」として感情移入できることも人気の理由です。
「あるある、こんなこと!」「こうなれば良いのに」といった若者の心情をリアルに描くストーリーに加えて、コメント欄でほかの視聴者と感想を共有できる点も、ショートドラマ文化を支える重要な要素となっています。
ショートドラマの市場規模は?

SNSや動画プラットフォームの拡大により、ショートドラマは単なるトレンドではなく、明確な産業として急速に成長しています。
制作・配信だけでなく、広告、EC連携、ライセンス展開など、ビジネスモデルの多様化も市場拡大を後押ししています。
続いては、海外と日本のショートドラマの市場規模について解説します。
海外の市場規模
海外では、中国を中心にショートドラマ市場が爆発的に拡大しています。
2024年時点での中国市場規模は約500億元(約1兆円)に達しました。
「快手(Kuaishou)」や「抖音(Douyin)」などのアプリでは、1作品あたり1億回以上再生されるヒット作も続出しています。
さらに、韓国やアメリカでも、縦型短編ドラマを軸にした配信プラットフォームが次々と誕生しており、グローバル市場は2029年までに566億ドル(約8兆7,000億円)規模に成長すると予測されています。
日本の市場規模
日本では2023年頃からショートドラマ制作が本格化し、株式会社日本能率協会総合研究所マーケティング・データ・バンクの調査によると、2024年時点の市場規模は約100億円とされています。
主にYouTubeショートやTikTokを活用したコンテンツが中心で、テレビ局や広告代理店、制作会社なども次々に参入しています。
中国と比較するとまだ発展段階にあるものの、2029年には470億円規模に拡大するとの予測もあり、今後はブランドタイアップ型や地方創生プロジェクト、採用・教育などへの応用も進む見通しです。
短尺で高いストーリーテリング力を持つショートドラマは、日本の映像産業における新たな成長領域として注目されています。
ショートドラマのビジネスモデル

ショートドラマには、主に以下の3種類のビジネスモデルがあります。
それぞれのビジネスモデルを単体で採用するプラットフォーム・アプリもあれば、複数のモデルを組み合わせている場合もあります。
それぞれの特徴は、以下の通りです。
課金型
課金型は、視聴者が1話ごとに料金を支払う方式です。
多くのアプリが「最初の数話は無料、以降は1話数十円~数百円程度で課金」という形を採用しています。
人気作品では課金型のビジネスモデルで高額な収益を上げるケースもあり、制作会社や脚本家にとって新たな収益源として注目されています。
広告型
広告型は、YouTubeショートやTikTokなどに多い方式で、再生前後・途中に挿入される広告から収益を得る方式です。
視聴者は無料で楽しめるため視聴回数を稼ぎやすく、商品PRやブランドタイアップ型ショートドラマとの相性も良いと言えるでしょう。
企業はストーリー仕立てで自社商品を自然に訴求できるため、ブランディング効果も高まります。
サブスク型
サブスク型は、月額などの定額料金制でコンテンツが見放題になる方式です。
「ReelShort」や「DramaBox」などが採用しており、運営側は安定した収益を確保しやすいというメリットがあります。
利用者は広告なしで快適に視聴できるため、長期的なファンづくりにもつながるでしょう。
ショートドラマの主なプラットフォーム・アプリ

日本国内で配信されているショートドラマの主なプラットフォーム・アプリには、以下のようなものがあります。
| アプリ名 | 主なビジネスモデル | 特徴 | 
| BUMP(バンプ) | 課金型 広告型 | 恋愛、青春、サスペンスなどの幅広いジャンルを展開する日本発のショートドラマアプリ | 
| DramaBox(ドラマボックス) | 課金型 広告型 サブスク型 | 中国ドラマの配信コンテンツが充実している | 
| ReelShort(リールショート) | 課金型 広告型 サブスク型 | 中国発の世界的に人気を誇るショートドラマアプリ | 
| タテドラ | 課金型 広告型 サブスク型 | 無料話数が充実した日本発の縦型ショートドラマアプリ ドラマだけでなくバラエティも楽しめる | 
| TopShort(トップショート) | 課金型 広告型 サブスク型 | 中国発のアプリで、中国・韓国ドラマのコンテンツが充実している | 
| POPCORN(ポップコーン) | 課金型 広告型 | SNS総再生回数100億回(2025年9月時点)を突破する人気クリエイター集団が手がける日本発のアプリ | 
日本発のアプリは、ユーザーの手軽に見たいというニーズに応えるため、サブスクよりも課金型を採用する傾向があります。
一方、海外発のアプリは、課金・広告・サブスクを組み合わせたハイブリッド型が主流で、1話数十秒から数分の短編を大量に配信するケースが多いです。
近年は日本語対応やローカライズが進み、海外作品の人気も上昇傾向にあります。
今後は国内企業も海外市場への展開を視野に入れ、ショートドラマを活用したグローバル戦略が加速するでしょう。
関連記事:ショートドラマアプリとは?人気の理由や日本・海外のおすすめを紹介
ショートドラマを企業PRに活用するメリット

ショートドラマは、配信アプリを通じて収益を得るビジネスモデルとしてだけでなく、企業の新しいプロモーション手法としても注目を集めています。
- ブランドイメージを伝えるプロモーション動画
- 商品やサービスを紹介する広告動画
- 購買意欲を高めるマーケティング動画
- 社風や社員の想いを伝える採用動画
例えば、飲料メーカーが「仕事終わりの一杯」をテーマに共感を誘うストーリーを制作したり、化粧品ブランドが「自信を取り戻す女性の物語」で商品の価値を伝えたりと、従来の広告では伝わりにくかったブランドの世界観やメッセージを、ドラマ仕立てで自然に届けられるのが強みです。
特に、Z世代のように広告をスキップする文化が定着した層に対して、ショートドラマは有力なアプローチ手法の一つとなるでしょう。
続いては、ショートドラマを企業PRに活用する主なメリットを紹介します。
最後まで見てもらいやすい
ショートドラマは、冒頭の演出や展開のテンポが工夫されており、「続きが気になる」という心理を利用して視聴維持率を高められるのが魅力です。
SNS広告やYouTube広告はスキップされがちですが、冒頭の演出で視聴者を自然と引き込めば、広告だと分かっていても最後まで見てもらえる可能性が高まります。
SNSで拡散されやすい
ショートドラマは、感動や共感を生むストーリー展開が特徴で、ユーザーが自発的にシェアしたくなる構成になっています。
広告色の少ない動画が自然に拡散されることで、結果として企業の認知度アップやイメージ向上につながるケースもあるでしょう。
ドラマ仕立てで訴求できる
ショートドラマの最大の魅力は、情報を一方的に伝えるのではなく、「物語を通じて理解・共感させる」という点にあります。
ストーリーの中に自然と自社商品を登場させたり、社員の想いや成長エピソードをドラマ化した採用動画を制作する企業も増えており、単なるPR動画よりも視聴者の記憶に残りやすく、言葉にしにくいメッセージを伝えやすいのもメリットです。
若年層へのアプローチに強い
ショートドラマは、TikTokやYouTubeショート、Instagramリールなど、若年層が利用するプラットフォームで配信されるケースが多いです。
1〜2分で完結する設計は、ながら視聴が多いZ世代の視聴習慣にもマッチしています。
特にZ世代は、自分と似た感情を持つ登場人物に引かれやすいという特徴があり、恋愛・友情・夢などをテーマにしたショートドラマは、従来の企業PRよりもブランドへの好感度を高めやすいでしょう。
テレビCMよりも低コスト
ショートドラマは、テレビCMと比べて制作費が低く、SNS配信によるターゲティング広告と組み合わせることで、高い費用対効果を実現できます。
例えば、テレビCMでは15秒枠でも数百万円単位の費用がかかるのに対し、ショートドラマは100〜300万円程度の予算でも十分なクオリティを実現できます。
特に、若年層はテレビよりもスマホを見ている時間が圧倒的に長いと言われているため、アイデア次第で大幅なコストダウンを実現できるでしょう。
ショートドラマを企業PRに活用するデメリット・注意点

ショートドラマは企業PRに非常に有効な手法の一つですが、実際にショートドラマを制作・配信する際には、いくつかの課題や注意点があります。
十分な効果を得るためには、以下のポイントを理解しておくことが大切です。
スマホユーザー以外には届きにくい
ショートドラマは主にTikTokやYouTubeショート、Instagramリールなど、縦型・スマホ視聴を前提としたプラットフォームで展開されます。
そのため、PCやテレビで動画を見る中高年層にはリーチしにくい傾向があります。
ターゲット層がSNSをあまり利用しない場合は、ショートドラマ単体ではなく、公式サイトや展示会、メールマーケティングなどほかのチャネルと組み合わせる戦略が必要です。
制作会社の手腕に左右される
ショートドラマは短尺でありながら、限られた時間の中で「ストーリー性」「演出」「映像のクオリティ」「演技力」など、複数の要素を高いレベルでまとめる必要があります。
そのため、企業PRに活用するショートドラマの制作は、プロの制作会社に依頼するのが一般的です。
しかし、企業の意図が正確に反映されないまま制作が進むと、「伝えたいメッセージが届かない」「ブランドイメージと合わない」といった問題が発生しやすくなります。
制作会社を選ぶ際は、ショートドラマの実績や得意ジャンル、SNS連動施策のノウハウなどを確認し、打ち合わせ段階で企画意図を明確に共有しておくことが重要です。
関連記事:【2025年最新】ショートドラマ制作会社12選!費用の目安や選び方も紹介
差別化が必要
ショートドラマは、長くても1本あたり数分程度です。
限られた時間でストーリーを展開するため、他社や競合コンテンツと似た内容になりやすい傾向があります。
特に恋愛・感動・あるある系など人気ジャンルが集中しているため、差別化には脚本の独自性や演出のトーン、キャスティングの工夫が必要です。
より視聴者の印象に残るショートドラマにするには、BGMや映像のテンポ、ブランドカラーを意識した世界観など、オリジナリティを出すことも求められます。
ショートドラマの企業PR成功事例

実際に日本国内でも、プロモーション活動にショートドラマを活用し、SNSでの話題化やブランド好感度の向上など、確かな成果を上げている企業が増えています。
ここでは、特に注目を集めた成功事例を紹介し、それぞれの特徴と成功のポイントを解説します。
三井住友カード「忙しすぎる人」
三井住友カードの「忙しすぎる人」は、映画「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督が手がけた縦型ショートドラマです。
TikTokやInstagram、Xなどの複数の公式アカウントでシェアされており、総再生回数は300万回を突破しています。
2分足らずのショートドラマの中では、忙しい日常に追われる娘と、不器用ながらもやさしい父親の心温まる一夜が描かれています。
タイパ(タイムパフォーマンス)をテーマに、三井住友カードの手軽なタッチ決済のスマートな利用をさりげなくアピールしているのが特徴です。
日本航空株式会社「旅する度」
日本航空株式会社では、「カップルの久米島への旅行」をテーマにした縦型ショートドラマ「旅する度」を公式TikTokやXに公開しています。
ショートドラマクリエイター集団「ごっこ倶楽部」とのコラボによる約2分のショートドラマ(前編・後編)は、投稿後わずか1ヶ月で総再生回数が1,000万回を突破し、同社の航空券の予約数増加に貢献しました。
江崎グリコ「アイツがおじさん!?」
江崎グリコの「アイツがおじさん!?」は、同社が2025年春のWelcome Pocky 「#初めての友達」キャンペーンに合わせて制作した全6話構成のショートドラマです。
TikTok上で第1・2・4・5話を無料配信し、3・6話は対象商品を購入した方限定で視聴できる仕組みを採用しました。
ストーリーでは、高校生の友情と成長を描きながら、ポッキーをきっかけに心の距離が縮まる青春ドラマ仕立てです。
視聴者が「続きが気になる」と感じたタイミングで購買導線を設けた点が非常に巧みであり、エンタメとマーケティングを融合させた先進的な成功例です。
三菱UFJ銀行「どうする?私」
三菱UFJ銀行の「どうする?私」は、若年層の金銭感覚やライフプランへの不安に寄り添う全6話構成のショートドラマです。
北海道の6自治体(奥尻町・上川町・上士幌町・下川町・名寄市・東川町)を舞台に、地域の魅力を織り交ぜた映像とリアルな悩みを描いたストーリー展開が共感を呼び、総再生回数は220万回を記録しました。
お金の話をポジティブに伝えるという難題を、登場人物の心情や会話を通して柔らかく表現したことで、若い世代のブランドイメージ向上にも成功しています。
中小企業基盤整備機構(SMRJ)「社畜ミュージアム」
独立行政法人中小企業基盤整備機構(SMRJ)が公式YouTubeチャンネルに公開したショート動画「社畜ミュージアム」は、現代の労働環境を風刺的に描いたPRムービーです。
架空の美術館を舞台に、「社畜あるある」をアート作品として展示するという独創的な構成が話題を呼びました。
ショートドラマというよりはショートムービー形式ですが、ユーモアと社会風刺を融合させた映像表現が高く評価され、公開から2週間で160以上のメディアに取り上げられました。
SNS上では「自分も展示されそう」「リアルすぎて笑うしかない」などのコメントが相次ぎ、結果としてSMRJの認知度と共感度が飛躍的に向上しています。
心をつかむショートドラマをプロモーションに活用しよう

Z世代に絶大な人気を誇るショートドラマは、今やエンタメだけでなく、企業のプロモーション戦略にも欠かせない手法となっています。
数分で完結するストーリー性のある動画は、視聴者の共感や感情を引き出しやすく、ブランドメッセージを自然に届けることが可能です。
特にTikTokやInstagramリールのような縦型動画プラットフォームは拡散性が高く、短期間で大規模な認知拡大も期待できるでしょう。
ショートドラマによるマーケティングは、プロに依頼するのが効果的です。
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さらに、投稿後の効果測定まで行う制作会社なら、分析結果を次回以降の施策に活かせるため、より効果的な運用が可能です。
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アカウント開設から動画制作、長期的な運用まで一気通貫でサポートいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
        
        執筆者
    
 
        Septeni FOCUS 編集部
「Septeni FOCUS」は、Septeni Japan株式会社が運営するマーケティング担当者のためのメディアです。
 
  
             
             
             
             
             
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