LINE通知メッセージとは、友だち追加していないユーザーに対して、電話番号をもとにメッセージを配信できる機能です。
従来のSMSよりも高い到達率と視認性が期待できるため、予約確認や配送通知、支払い案内など、ユーザーにとって重要な情報を確実に届ける手段として、企業や店舗での活用が広がっています。
この記事では、LINE通知メッセージの基本的な仕組みや導入メリット、注意したいポイントまで分かりやすく解説します。
※こちらの記事は2025年12月11日時点での情報です。
LINE通知メッセージとは、ユーザーにとって重要性の高い情報を確実に届けるための配信サービスです。通常、LINE公式アカウントでは、ユーザーが「友だち追加」をしていなければメッセージが届きません。
しかし、LINE通知メッセージであれば、ユーザーの電話番号をキーにして配信できるため、友だち以外にも配信が可能です。メールより開封率が高く、到達率も安定しているため、多くの企業がユーザーコミュニケーションの基盤として導入しています。
ただし、LINE通知メッセージには厳格な運用ルールがあり、広告・販促を目的としたメッセージは送ることができません。
通知できる用途はLINEヤフー株式会社によって定められており、ユーザーが不利益を受けない利便性の高い連絡事項のみに限定されています。
例えば、支払期限の案内、配送状況の通知、予約リマインダーなど、必ず届けたい情報をLINE経由で送る際に適しているでしょう。
LINE通知メッセージには、以下の2種類があります。
LINE通知メッセージ(フレキシブル)は、企業独自の文言や色、レイアウトを柔軟に設定できるプランです。
カスタマイズ性が高いため、ブランドイメージを重視したい企業や、既存のシステムと精密に連携した通知を作りたい企業から選ばれています。
ただし、フレキシブルを利用するには、事前に「UX審査」を通過する必要があり、審査費用も発生します。
審査では、以下のように複数の項目がチェックされ、承認されるとLINE通知メッセージが利用できるようになります。
【LINE通知メッセージ(フレキシブル)の概要】
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用途 |
22種類 |
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柔軟性 |
文言・色みを柔軟に変更可 ※事前審査あり |
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スピード |
事前のUX審査あり |
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料金 |
月額(50万円/月~)+UX審査費(20万円/UX) |
出典:LINEヤフー株式会社「LINE通知メッセージのご紹介」
2025年6月からは、配信数に応じた3つの月額プランに統一され、より利用状況に合わせた費用設計が可能になりました。
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月額プラン |
エッセンシャル |
パフォーマンス |
アンリミテッド |
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月通数 |
月10万通まで |
月100万通まで |
月1,000万通まで |
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料金 |
50万円 |
200万円 |
1,000万円 |
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通数単価(概算) |
5円 |
2円 |
1円 |
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追加メッセージ単価 |
3円 |
1.2円 |
0.6円 |
出典:LINEヤフー for Business「【ご利用中の広告主さまへご案内】「LINE通知メッセージ」リニューアルのお知らせ」
LINE通知メッセージ(テンプレート)は、あらかじめLINEヤフー株式会社が用意している70種類以上のテンプレートを利用できるプランです。ほとんどのテンプレートは事前審査が不要なため、導入スピードが非常に速く、シンプルな運用を求める企業に適しています。
テンプレートには、支払予定日通知、配送案内、予約確認、本人認証など、日常的によく使われる用途が幅広くそろっており、必要な要素(ボタン・テキスト・リンクなど)を組み合わせるだけで利用可能です。
【LINE通知メッセージ(テンプレート)の概要】
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用途 |
約70種類以上 |
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柔軟性 |
アイテム・ボタンを組み合わせて利用できる |
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スピード |
審査なし ※ごく一部のテンプレートのみ審査あり |
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料金 |
月額(50万円/月~) |
出典:LINEヤフー株式会社「LINE通知メッセージのご紹介」
LINE通知メッセージ(テンプレート)は、デザインの自由度こそフレキシブルより劣りますが、UX審査費用が不要で運用負担も小さいため、中小企業やスピード重視の企業に向いています。
2025年6月からはフレキシブルと同様に、配信数に応じた3つの月額プランへ変更され、より導入しやすくなりました。
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月額プラン |
エッセンシャル |
パフォーマンス |
アンリミテッド |
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月通数 |
月10万通まで |
月100万通まで |
月1,000万通まで |
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料金 |
50万円 |
200万円 |
1,000万円 |
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通数単価(概算) |
5円 |
2円 |
1円 |
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追加メッセージ単価 |
3円 |
1.2円 |
0.6円 |
出典:LINEヤフー for Business「【ご利用中の広告主さまへご案内】「LINE通知メッセージ」リニューアルのお知らせ」
LINE通知メッセージの仕組みは、以下の通りです。
引用:LINEヤフー株式会社「LINE公式アカウント」
この仕組みにより、支払案内、配送状況、予約リマインダーなど、確実に届けたい情報をLINE経由で送信できます。
企業側がリクエストしたユーザーの電話番号がLINE側の情報と照合しない場合、LINE通知メッセージは届かず、課金対象にもなりません。
ユーザーが「LINE通知メッセージの受信を拒否している場合」や、「LINEに登録している電話番号が古い場合」なども配信不可となります。
LINE通知メッセージの導入には一定のコストがかかりますが、生活に密着した情報を確実に届けられるため、多くの企業が積極的に活用しています。
特に、予約管理・配送・金融系サービスなど、ユーザーの行動に直結する重要な通知を扱う企業にとって、大きなメリットがあります。
LINE通知メッセージを導入する最大のメリットは、ユーザーの利便性を高められる点にあります。LINEは日常的に利用されているアプリであり、ユーザーは特別な設定をしなくても重要な連絡を受け取ることが可能です。
例えば、配送業者が発送通知メッセージを送信すれば、ユーザーはLINE上で配達日時の変更や置き配の設定をすることができます。
また、病院やサロンであれば、予約前日に自動でリマインド通知を送ることで、予約忘れや当日キャンセルの防止につながるでしょう。
LINE通知メッセージを活用することで、必要な情報を必要なタイミングで届けることができ、顧客満足度向上が期待できます。
LINEの月間利用者数は約9,800万人(2025年3月末時点)で、日本の多くのユーザーが日常的に利用しています。LINEアプリにはプッシュ通知が届くため、メールやSMSのように埋もれにくい点も大きな魅力です。
特にSMSは迷惑メッセージが多く、ユーザーが確認を後回しにしがちですが、LINEであれば「既読」も付きやすく、重要な連絡を確実に届けることができます。
また、LINE通知メッセージは番号照合によって配信するため、到達率も高く、決済通知・公共料金の案内・配送情報など、見落としてはいけない連絡におすすめです。企業にとってはユーザーとの連絡ミスが減るため、業務効率化や問い合わせ削減にもつながるでしょう。
LINE通知メッセージは、友だちになっていないユーザーにも配信できますが、通知が届くトーク画面の上部には「友だち追加」ボタンが自動表示されます。ユーザーは通知を通してサービスの利便性を実感するため、「今後も通知を受け取りたい」という自然な流れで友だち追加につながる点がメリットです。
また、通知経由で友だち追加したユーザーは、スタンプ目的などのライトユーザーと比べてブロック率が低く、エンゲージメントが高い傾向にあります。公式アカウントの友だちになれば、その後は通常配信でキャンペーン情報やクーポン配布も可能になり、マーケティング施策の幅が広がります。
LINE通知メッセージは、重要な情報を確実に届けるという点で大きなメリットがありますが、導入前に理解しておくべき制限やルールも多く存在します。特に、利用条件・配信可能なユーザーの範囲・アカウント要件・申し込み方法などは、事前にしっかりと確認しましょう。
ここでは、LINE通知メッセージ導入の前に押さえておきたい注意点を紹介します。
LINE通知メッセージは、ユーザーの利便性向上のために設計された機能であり、配信できるのは「生活に必要な通知」に限られます。
例えば、以下のようなメッセージが対象です。
一方で、以下のような広告性の強いメッセージの配信はできません。
誤って広告メッセージを送信すると利用停止につながる可能性があるため、「LINE通知メッセージ=広告には使えない」という理解が必要です。
LINE通知メッセージは電話番号照合によって配信するため、LINEを使っているからといって、必ず届くわけではありません。
通知が可能なのは、以下の条件を満たすユーザーのみです。
【通知可能なユーザーの条件】
たとえ企業が把握している電話番号であっても、ユーザーがLINEに登録した番号と異なれば通知は届きません。
また、ブロックされている場合や、ユーザーが通知受信に同意していない場合も同様です。
そのため、電気・ガス会社、保険会社、ECサイトなどは、SMSとの併用やLINEで登録情報を更新してもらうための導線づくりをセットで行うことをおすすめします。
LINE通知メッセージを利用できるのは、以下のいずれかのアカウントに限定されます。
また、LINEでは、ユーザーの個人情報を扱う個人・企業・団体を「プロバイダー」と定めており、LINE Developersコンソールからの登録が必要です。
LINE通知メッセージを配信する場合は、単にアカウントを作成するだけでなく、審査を経て「認証プロバイダー」として承認されることが必須条件となっています。
認証プロバイダーの取得には、企業情報・サービス内容・プライバシーポリシーなどの提出が求められ、不適切な情報管理体制の場合は審査に通過できません。
出典:LINE API Use Case「【図解あり】LINE APIを使うなら知っておきたい!プロバイダーと認証プロバイダーの違いを解説」
LINE通知メッセージは、一般の企業が直接申し込むことはできません。
必ず以下のいずれかの「LINEヤフー認定パートナー」を通して申し込む必要があります。
【LINEヤフー認定パートナーの種類】
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LINEヤフー Sales Partner |
LINE公式アカウントやLINE広告など、LINE関連サービスの販売・コンサルティングを担うパートナー |
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LINEテクノロジーパートナー |
LINEミニアプリ、LINE通知メッセージ、API連携など、技術支援を行うパートナー |
LINE通知メッセージは、電話番号照合や重要通知など機密性の高い個人情報を扱うため、一定以上のセキュリティ基準を満たす企業のみが取り扱える仕組みになっています。そのため、導入を希望する企業は「どのパートナーに依頼すべきか」「自社システムとどう連携するか」などを事前に検討しましょう。
パートナーによっては、導入支援・運用設計・効果測定までサポートする企業もあるため、費用だけでなく「サポート範囲」も比較しながら選ぶことが重要です。
また、安定した運用と成果最大化のためには、「豊富な実績」と「深いノウハウ」を持つパートナーを選ぶと良いでしょう。
続いては、実際にLINE通知メッセージを導入して成果を上げている企業の事例を紹介します。
日本郵便株式会社では、宅配サービス「ゆうパック」において、再配達の増加が大きな課題となっていました。不在による再配達は、ドライバーの負担増や配送コストの上昇につながるため、業界全体でも早期改善が求められている問題です。
同社はこれまでも、メールで事前にお届け予定を知らせる「eお届け通知」や、そこから受け取り場所・日時を変更できる「e受取チョイス」を提供していました。
しかし、これらのサービスを利用するには以下の条件が必要なため、一部のユーザーにしか事前通知が行えず、「本当に届けたい相手に通知が届かない」という課題が残っていました。
そこで同社が導入したのが、LINE通知メッセージです。LINE通知メッセージは電話番号だけで照合できるため、EC事業者とのメールアドレス連携や、ユーザー側の事前登録は必要ありません。結果として、届けられるユーザーの数が飛躍的に増加しました。
実際に、日本郵便では電話番号のマッチング率95%以上という高い精度を実現し、多くのユーザーがLINEで配送通知を受け取れるようになっています。これにより、再配達率の削減、配達効率の向上、ドライバーの負担軽減にもつながりました。
宅配ピザチェーン「ピザハット」を運営する日本ピザハット株式会社では、2021年末からLINE通知メッセージの導入を開始し、2022年2月には全国の全店舗へと利用範囲を拡大しました。
同社がLINE通知メッセージを導入した理由は、「テイクアウト商品の受け取り時間の最適化」です。
ピザは焼きたてがもっとも美味しく、受け取りが遅れると品質が損なわれてしまいます。
しかし、通常のメール通知では見落とされるケースも多く、最適な受け取りタイミングを案内しきれないという課題がありました。
そこで、焼き上がりに合わせた通知をLINE通知メッセージで配信したところ、多くのユーザーが確実にメッセージを受信し、「ベストな受け取り時間」を逃さず店舗へ来店できるようになりました。
さらに、LINE通知メッセージを受け取ったユーザーが自然とLINE公式アカウントを友だち追加するようになり、導入後わずか4ヶ月で友だち数が2倍に増加したとの報告もあります。
LINE公式アカウントを経由した注文数も大幅に増え、前年比3倍という顕著な成長を記録しています。
LINE通知メッセージは、ユーザーがLINEを友だち追加していなくても、電話番号の照合によって重要な連絡を直接届けられる仕組みです。
支払期限の案内、配送状況のお知らせ、予約リマインドなど、日常生活に密着した通知を行うことができ、メールやSNSよりも見落としが少なく、高い到達率を実現できます。
広告や販促目的では利用できませんが、LINE通知メッセージがきっかけでユーザーが公式アカウントを友だち追加し、結果としてマーケティング効果につながった事例もあります。
顧客満足度の向上、再配達や来店忘れの削減、問い合わせの減少など、業務効率化にも大きく貢献するでしょう。ただし導入には、LINEヤフー株式会社が認定した適切なパートナーを通じて申請する必要があります。
セプテーニグループのミロゴスは「LINEテクノロジーパートナー」です。LINE機能拡張サービス「LOOPASS」の提供や、企業のLINE公式アカウント運用支援の実績も多く、LINE通知メッセージの導入についてもサポートいたします。
LINE通知メッセージ導入をご検討の方は、ぜひミロゴスまでご相談ください。
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