「LINE公式アカウントを開設したけれど、うまく集客につながらない」など、LINEを活用した集客方法に悩む企業も多いのではないでしょうか。
LINEは多くの人が日常的に利用しているコミュニケーションツールであり、ビジネスにおいても効果的に活用すれば、見込み客との接点を増やし、来店や購入などの行動につなげることができます。
しかし、ただ公式アカウントを開設しただけで集客が見込めるわけではなく、集客するためには効果的な運用が必要です。
この記事では、LINE公式アカウントを使った集客の基本的なやり方、押さえておきたいポイントや成功事例を紹介します。
※こちらの記事は2025年8月4日時点の情報です。
近年、SNSやWeb広告を活用した集客が主流となるなかで、LINEは非常に高い効果を発揮できるツールとして注目されています。
まずは、なぜLINE公式アカウントが集客に有効なのか、その理由を4つの視点から解説します。
LINEは日本国内において、月間9,700万人(※2024年12月末時点)のアクティブユーザーを持ち、これは日本人口の約80%に相当します。
LINE公式アカウントを集客に活用するメリットは、この圧倒的な利用者数にあると言っても過言ではありません。
日常的なコミュニケーションツールというだけでなく、LINEはビジネス用途としても非常に高いリーチ力を持っていると言えるでしょう。
ほかのSNS(Instagram、X、Facebookなど)と比較しても、ユーザー層の広さと定着率は群を抜いており、LINE公式アカウントを活用すれば、それだけで莫大な潜在顧客にアプローチできる可能性が広がります。
LINEは、10代の若年層から60代以上のシニア層まで幅広く利用されており、ほかのSNSのように特定の年代や趣味に偏らないのが特徴です。
そのため、「若者向けの商材だからInstagram」「ビジネスパーソン向けだからFacebook」など、媒体選定に悩む必要がなく、1つの媒体であらゆるターゲット層にアプローチすることが可能です。
特に、地域密着型ビジネスや実店舗を運営している企業にとって、幅広い層へのリーチが可能なLINEは非常に相性の良いツールと言えます。
LINE公式アカウントは、ただの情報配信ツールではなく、集客や販促に活用できる多機能なビジネスツールです。
デジタルクーポンの配信機能、ショップカード機能、ステップ配信やセグメント配信などを用いて見込み客を効率的に育成し、来店や購買に導ける点は、大きなメリットと言えるでしょう。
配信内容は管理画面から簡単に設定できるため、専門知識がなくても運用しやすいのも魅力です。
それぞれの機能の詳細については、後ほど詳しく説明します。
LINEは、ほかのSNSと比べて「個人のチャットツール」としての利用頻度が高いため、ビジネスメッセージも自然に受け入れられやすい傾向にあります。
一斉配信であっても、ユーザーは1対1のやり取りのように受け取るため、いかにも広告という印象が少なく、心理的なハードルも低くなるでしょう。
プッシュ通知が届くことで、メールに比べて開封率が高いのも特徴です。
開封率が高ければ、それだけユーザーに届けたい情報がしっかりと伝わるため、ほかの媒体では得られない集客効果が期待できます。
LINE公式アカウントの集客方法は複数あり、それぞれに特徴が異なります。
ターゲットや業種に応じた使い分けが集客成功のカギとなるでしょう。
ここでは、LINE公式アカウントを活用した具体的な集客方法を6つ紹介します。
LINE公式アカウントの友だちを増やすために、QRコードの活用は基本です。
以下の手順で、「友だち追加QRコード」を作成しましょう。
作成したQRコードを店舗のレジ横や入口、待合スペースに掲示したり、チラシ・POP・会員証・レシートなどに印刷することで、来店者に自然な形で友だち追加を促せます。
さらに、自社のWebサイトやパンフレット、メール署名、営業職員の名刺などにQRコードを掲載すれば、商談やイベントの場でも効果を発揮するでしょう。
「友だち追加経路」を設定しておけば、どの媒体からの登録かも分析可能になり、改善にもつなげられます。
友だちが増えてきたら、次はメッセージ配信で来店や購買行動を促します。
LINE公式アカウントでは、テキストだけでなく画像・動画・リンク・リッチメニューなどを組み合わせた視覚的に訴求力の高い配信が可能です。
具体的には、以下のようなメッセージ配信が効果的です。
また、LINE公式アカウントのメッセージ機能を活用することで、より効果的なアプローチが可能となります。
セグメント配信とは、登録ユーザーを特定の条件で分類し、それぞれに最適なメッセージを届ける機能です。
以下のような条件でユーザーを分類することができます。
LINE公式アカウントのセグメント配信を活用すると、「関東エリア在住の20〜30代女性にキャンペーン案内を送る」など、無駄のないターゲティングが可能です。
結果として、クリック率やコンバージョン率の向上が期待できるでしょう。
ステップ配信は、ユーザーの行動や登録日を起点に、あらかじめ設定したタイミングで順番にメッセージを自動送信する機能です。
以下のような流れで活用することで、手間をかけずに計画的なコミュニケーションが可能となります。
ユーザーの温度感に応じたアプローチができるため、短期間での離脱を防ぐ効果が期待できるでしょう。
LINE公式アカウントには、ユーザーに対して直接的なインセンティブを提供できる「クーポン機能」があり、幅広い業種で集客や販促に活用されています。
例えば飲食店の場合、友だち追加時に「初回限定の割引クーポン」や「ドリンク1杯無料クーポン」を配布することで、新規顧客の獲得が期待できるでしょう。
特定の曜日や時間帯に合わせて「ランチタイム限定クーポン」「平日限定クーポン」などを発行することで、集客したい時間帯に来店を促すことも可能です。
また、誕生日や記念日に合わせたパーソナライズドクーポンや、複数回来店したユーザーへのリピーター向けクーポンを定期的に配信することで、再来店率を高めると同時にアカウントのブロック率を下げる効果もあります。
クーポンの利用状況や開封率、利用者の年代・地域などのデータも管理画面で確認できるため、分析をもとにした改善やターゲティングにも役立つでしょう。
ショップカード機能は、ポイントカードをLINE上で発行できる便利なツールです。
ユーザーはスマートフォンでポイント管理ができ、カードを持ち歩く必要がなくなるため、利便性が大幅に向上します。
カード忘れや紛失によるポイント損失を防ぐことができ、スマホからポイント残高をいつでも確認できるのもメリットです。
ショップカード機能の活用は、企業側にもメリットがあります。
ポイントの付与には「友だち追加」が条件となるケースが多いため、企業側は新規登録を自然な形で促せるでしょう。
また、管理画面では「発行済みカード数」「ポイント付与履歴」などのデータを分析できるため、常連客の行動パターンを把握することが可能です。
これにより、リピート客向けキャンペーンの設計や、ポイント有効期限のリマインドなど、具体的な集客戦略を展開することができます。
LINE公式アカウントでは、1対1のチャット対応も可能です。
特に美容室や飲食店、クリニック、小売店などの店舗では、問い合わせ対応をLINEチャットで完結できることで、電話対応の負担を軽減できるでしょう。
すべて手動で対応することが難しい場合には、チャットボットの導入がおすすめです。
チャットボットを設定すれば、「営業時間は?」「予約方法は?」「場所はどこ?」といったよくある質問に自動応答でき、ユーザーの疑問を即時に解消できます。
営業時間外でも対応できるため、ユーザー満足度が高まり、機会損失の防止にもつながる点もメリットです。
リッチメニューとは、LINEのトーク画面下部に常時表示されるメニューエリアのことです。視認性が高く、ユーザーの行動を効率良く促すことができます。
リッチメニューには、以下のようなリンクを設定するのがおすすめです。
リッチメニューは、画像やボタンのサイズ・配置も自由にカスタマイズできるため、ブランドイメージに合わせて設計することも可能です。
クリック率の計測ができるため、「どのボタンがよく押されているか」「ユーザーが何に興味を持っているか」といった行動分析にも役立ちます。
リッチメニュー機能は、LINE公式アカウントの料金プランにかかわらず利用できるため、コストをかけずに効果的な集客導線を作れるのも魅力の一つです。
LINE公式アカウントで効果的な集客を実現するためには、ポイントを押さえた運用が必要です。
続いて、LINE公式アカウントの集客力を最大化するために重要な4つのポイントについて説明します。
LINE公式アカウントを活用する第一歩は、まず「友だち追加」を増やすことです。
友だちを効果的に増やすには、ユーザーにとってメリットのある特典・インセンティブを提示してあげると良いでしょう。
以下のような施策は、集客効果が期待できます。
ユーザーの関心を引き付けやすい特典を用意したり、期間限定や数量限定といった「限定感」を打ち出すと、友だち追加の意欲を高められるでしょう。
LINEは広告ツールというよりもコミュニケーションツールとして使われているため、ユーザーは一方的な販促メッセージに敏感です。
キャンペーンやクーポン情報だけでなく、ユーザーにとって役立つ情報を届けることがブロックを防ぎ、ファンを育てるカギとなるでしょう。
例えば、美容室なら「髪質別ヘアケアのコツ」や「自宅でできる簡単ヘアアレンジ動画」、飲食店なら「人気メニューのアレンジレシピ」などはいかがでしょうか。
ユーザーとのコミュニケーションや信頼関係を意識したコンテンツを配信することが重要です。
LINE公式アカウントの集客効果を高めるためには、「誰に届けるか」を明確にすることが重要です。
むやみに多くの人に配信するのではなく、属性や行動履歴に基づいて配信対象を絞り込むことで、反応率が向上します。
LINE公式アカウントの機能を活用すれば、以下のような配信が可能です。
適切なユーザーに、適切なタイミングで、適切な情報を届けることが、集客とエンゲージメントの両面において効果を発揮します。
どれほど魅力的な情報でも、配信が多すぎるとユーザーに嫌がられてしまいます。
LINE公式アカウントをブロックされないためには、適切な頻度とタイミングを見極めることが大切です。
一般的には、月に2〜4回(週1回以内)の配信が目安とされています。
ただし、業種や顧客層によって最適な頻度は異なるため、試行錯誤しながら調整しましょう。
また、配信の時間帯も重要です。ターゲットが主婦層であれば平日午前中、ビジネスパーソンなら平日夜や土日の昼間など、生活リズムを意識して配信時間を設定することで、開封率の向上が見込めます。
LINE公式アカウントを「なんとなく配信して終わり」にしないことが、成果を伸ばすポイントです。
配信後は必ずデータ分析を行い、効果測定と改善を繰り返しましょう。
以下のような指標をチェックしてみてください。
開封率が低い場合は「タイトル(冒頭文)」の見直し、クリック率が低い場合は「内容の魅力や導線」の改善が必要です。
データを元にPDCA※を回すことで、配信内容の精度が上がり、ユーザーのエンゲージメントも高まります。
※Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の4つの業務プロセス
続いては、LINE公式アカウントを活用した具体的な集客の成功事例をご案内します。
ここで取り上げるのは、LINEを上手に活用し、来店数や予約数、購買数の増加につなげた企業の事例です。
大衆寿司居酒屋「鮨 酒 肴 杉玉」を全国に73店舗(2023年3月時点)展開する株式会社FOOD & LIFE INNOVATIONSでは、紙の折り込みチラシに代わる新たな集客手段として、2020年3月にLINE公式アカウントを導入しました。
チラシ制作や配布にかかっていたコストを削減すると同時に、タイムリーかつパーソナライズされた情報配信によって、より効果的に顧客へのアプローチを実現しています。
同社では、各店舗がLINE公式アカウントを開設し、メッセージの配信内容やスケジュールは本社が一括で管理しています。
これにより、ブランドイメージや情報の統一性を保ちながらも、現場のニーズに即した柔軟な運用が可能となりました。
また、実際に配信するメッセージは、キャンペーン情報やおすすめメニューなど多岐にわたっており、来店動機を喚起する内容に工夫を凝らしています。
さらに、2021年10月にはLINE公式機能の一つである「LINEで予約」を導入し、電話や他社の予約サイトを使わなくても完結できる導線を構築することで、予約手数料の削減にも成功しました。
LINEで予約経由の予約数は導入から1年で約6倍に増加し、利便性の向上と顧客との接点強化が、リピート来店の促進にもつながっています。
株式会社バンダイナムコアミューズメントは、ゲームセンター「namco」のほか、「屋内・冒険の島 ドコドコ」「VS PARK」「トンデミ」など、全国各地で多彩な屋内アクティビティ施設を運営しています。
同社は、新店舗の開業前からLINE公式アカウントを戦略的に活用し、開業前集客の最大化に成功しています。
例えば、LINE広告の友だち追加機能を活用し、商圏エリアに住むユーザーに対してクーポンなどを提供することで、高い反応を得ることができました。
ある新店舗ではオープン前の時点で約7,000人のLINE友だちを獲得することに成功しています。
LINEを使って事前に興味・関心の高い層とつながることで、オープン初日から安定した集客が見込める体制を整えた成功事例です。
20〜30代の男女に支持されるファッションブランド「ナノ・ユニバース」を展開する株式会社TSIホールディングスでは、LINEを活用した新たな接客スタイルとして「LINE STAFF START」を導入しています。
従来は、アプリのメンバーズ会員に向けて一斉にプッシュ通知やメルマガを送信していましたが、「店舗スタッフが個別に顧客とつながることが難しい」という課題を抱えていました。
そこで、「スタッフ個人」と「顧客」がLINE上で直接つながれる仕組みである「LINE STAFF START」を採用し、店舗スタッフ自らが情報発信できる環境を整えたのです。
この取り組みの最大の特徴は、ブランド全体のLINE公式アカウントではなく、信頼関係のある担当スタッフと1対1のやり取りができる点にあります。
顧客側も、なじみのスタッフからのLINEメッセージということで親しみやすく、実際にLINE STAFF STARTの友だちと、アプリのメンバーズ会員に同時にクーポン配信をした結果、LINE STAFF STARTの友だちのほうが購買につながる割合が圧倒的に高かったとのことです。
これは、顧客との信頼関係にもとづく集客が、LINEによってオンラインでも実現できた成功事例と言えるでしょう。
LINE公式アカウントは、個人経営の美容室や飲食店から、全国展開するチェーン店・大手企業に至るまで、業種や規模を問わず幅広く活用されている集客ツールです。LINEの活用により、年齢や性別を問わず幅広い層のユーザーへのリーチが可能となり、新規顧客の獲得はもちろん、リピーターの育成にもつながります。
費用対効果の高い集客が実現し、売上アップやブランド力の向上にも大きく貢献するでしょう。
これからの時代、LINEは「情報発信のツール」ではなく、「顧客との関係を築くツール」として、ますます重要な役割を担っていくと考えられています。
LINE公式アカウントを効果的に活用し、ビジネスの成長の可能性を広げてみてはいかがでしょうか。
セプテーニグループのミロゴス株式会社では、LINE認定パートナーとして、LINE公式アカウントの活用を最大限にサポートさせていただきます。
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