ユーザーとの接点を広げる手段として効果的な「LINEリッチメニュー」のなかで、特に重要なのが各メニューに設定する「アクション」と「アクションラベル」です。
アカウント設定を適切に行うことで、ボタンをタップしたときに何が起こるのかを明確にし、ユーザーに伝えたい情報を分かりやすく提示できます。
この記事では、LINEリッチメニューのアクション設定方法や、アクションラベルの役割について、詳しく解説します。
※こちらの記事は2025年7月29日時点の情報です。
LINEリッチメニューのアクション設定とは、ユーザーがトーク画面下部に表示されるボタン(エリア)をタップした際に、どのような動作を起こすかを指定する機能です。
アクションを適切に設定することで、ユーザーの行動をスムーズに誘導でき、クリック率の向上や販促活動の効率化に大きく貢献します。
1つのメニューには最大6つまでアクションを設定でき、それぞれのエリアに異なるリンクや機能を割り当てられます。
活用方法によっては、ユーザーの回遊率向上や売上増加にもつながるため、戦略的に設計することが重要です。
設定可能な主なアクションは、以下の5種類です。
「リンク」は、指定したURLへ遷移するアクションです。
ユーザーがボタンをタップすると、LINE内ブラウザでWebページが開きます。
【活用例】
例えば、オンラインストアボタンを設置し、リンクアクションを設定することで、そのまま商品の閲覧や購入に誘導することが可能です。
「クーポン」は、LINEで作成したクーポンをユーザーに直接表示させるアクションです。
タップすると即時にクーポン画面が開き、手間をかけずに提示・利用ができます。
【活用例】
飲食店や美容サロン、クリニックなど、リピーター獲得や来店促進を狙いたい業種では、特に有効なアクションです。
リッチメニューにクーポン利用の導線を直接設けることで、アクション率を高めやすくなります。
「テキスト」は、ユーザーがボタンをタップした際に、あらかじめ設定したテキスト(最大50文字)をトークルームに送信するアクションです。
【活用例】
ユーザーはボタンを押すだけで簡単に意思表示ができ、その後の自動応答で予約フォームへの誘導や案内が可能になります。
応答メッセージと組み合わせれば、ユーザーサポートの自動対応を実現できるでしょう。
「ショップカード」は、LINE公式アカウント内で作成したデジタルポイントカードを表示させるアクションです。
デジタルポイントカードを発行すれば、紙のポイントカードのように忘れる心配もなく、スマホ一つでポイント確認・管理ができるため、ユーザーにも店舗側にもメリットがあります。
定期的に来店を促すためのリピート施策として有効なため、カフェや美容室、サロンやクリニックなど、幅広い業種で活用されています。
LステップやLinyなどの外部ツールと連携することで、LINEリッチメニューのアクションを大きく拡張することができます。
標準機能では実現が難しい、高度な出し分けや多機能なメニュー構成が可能なため、ユーザー体験の向上とマーケティング効果の最大化が期待できるでしょう。
【活用例】
拡張機能を用いることで、「初回登録ユーザーには『アンケート回答』ボタンを表示し、回答後は『クーポン取得』ボタンへと自動で切り替える」といった導線もスムーズに実現できます。
ユーザーの行動やステータスに応じてパーソナライズされた導線を構築できるため、単なるナビゲーションではなく、販促・顧客管理・リピート施策までを一括で最適化できる強力なツールとなるでしょう。
アクションラベルは「説明用テキスト」のことで、スマートフォンの読み上げ機能(iPhoneのVoiceOverやAndroidのTalkBackなど)に対応しています。視覚に障がいのある方や画面が見づらいユーザーに向けて、ボタンの内容や遷移先を音声で伝えるための機能です。
アクションラベルの設定ができるのは、「リンク」と「クーポン」の2つです。
使用する際は、アクションの内容が聴覚的にしっかり伝わるよう、以下のような表現を意識しましょう。
アクセシビリティ対応は企業の信頼性向上にもつながるため、積極的に取り入れることが推奨されます。
ここでは、LINE公式アカウントでリッチメニューを作成し、アクションを設定する基本的な手順を分かりやすく解説します。
リッチメニューを効果的に活用するために、実際の操作手順と活用ポイントを押さえておきましょう。
まずは、LINE Official Account Managerにログインし、対象のアカウントを選択します。
管理画面の左側メニューから「リッチメニュー」を選び、「作成」ボタンをクリックしてください。
作成画面では、以下の内容を順に設定していきます。
画像サイズやファイル形式に制限があるため、LINEの公式ガイドラインを確認したうえで、あらかじめ画像を用意しておくとスムーズです。リッチメニュー全体の作成方法やデザイン制作に関する詳細は、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:LINEリッチメニューを作ろう!作り方や設定方法、デザイン例を紹介
リッチメニューを作成したら、各エリア(ボタン)に対してアクションを設定します。
テンプレートに応じて分割されたエリアをクリックし、「アクションタイプ」を選択しましょう。
設定できるアクションタイプは以下の通りです。
リンク |
指定したURLに遷移 |
クーポン |
作成済みのLINEクーポンを表示 |
テキスト |
指定したメッセージをトークに自動送信 |
ショップカード |
デジタルポイントカードの表示 |
設定しない |
アクションなし |
アクションラベルには、「予約ページを開く」「10%OFFクーポンを表示」など、どんな動作かが一目で分かる具体的な文言を設定しましょう。
「テキスト」アクションと「応答メッセージ」を組み合わせた活用方法も便利です。
ユーザーがタップするだけで特定のキーワードを送信し、それに応じた自動返信を設定できるため、簡易的なチャットボットとして運用できます。
テキストアクション |
応答メッセージ |
予約したい |
ありがとうございます。ご希望の日時・人数・お名前・ご連絡先をご入力ください。担当者よりご連絡します。 |
返品したい |
返品に関する詳細はこちらのページをご覧ください。 [返品ポリシーを見る](URL) |
注文状況 |
ご注文状況は以下のリンクよりご確認いただけます。 [注文履歴を確認する](URL) |
このように、リッチメニューと自動応答を組み合わせることで、問い合わせ対応の一部を自動化し、オペレーションの効率化を図ることが可能です。
また、ユーザーは質問後すぐ回答が得られるため、満足度の向上にもつながります。
リッチメニューを効果的に活用するには、単にボタンにアクションを設定するだけでは不十分です。
「どのエリアに・どんな内容を・どう見せるか」という視点で設計することが、クリック率の向上やユーザーの満足度アップにつながります。
ここでは、アクション設定時に意識しておきたい具体的なポイントを紹介します。
新商品、セール、イベント、キャンペーン情報など、特にユーザーに注目してほしいコンテンツは、1枠だけでなく3枠を使って大きく表示するのが効果的です。
トーク画面での表示面積が広くなり、視認性が向上することで、自然と目を引きやすくなります。
画像や文字のレイアウトに余裕ができるため、アクションの内容がより明確に伝わるのもメリットです。
期間限定のクーポンや、予約フォームへの導線など、成果に直結しやすいアクションには、2枠使用を検討すると良いでしょう。
リッチメニューにおいて、ユーザーがもっともタップしやすい位置とされているのが「右下の枠」です。
これは、スマートフォンを右手で持ち、親指で操作する人が多いため、右下が自然と指の届く位置にあることが主な理由とされています。
さらに、視線が左上から右下に流れる「Zの法則」によって、視覚的にも右下が注目されやすいエリアになっています。
そのため、資料請求や問い合わせなどは、右下の枠に配置するのが効果的です。
リッチメニューの成果を最大化するには、ユーザーがどのような目的でLINEを利用しているのか、どんな情報を求めているのかを把握し、それに沿ったアクションを設定することが重要です。
飲食店であれば「メニューの確認」「予約」「アクセス情報」、美容サロンであれば「クーポンの取得」「予約フォームへの誘導」「施術メニューの紹介」など、業種ごとに必須となるアクションは異なります。
ユーザーニーズを正確に捉えることで、リッチメニューからのアクション誘導をより効果的に実施できるでしょう。
逆に、ユーザーにとって関係のない情報を配置すると、離脱やブロックの原因になるため注意が必要です。
LINE Official Account Managerの「分析」機能では、各ボタンのクリック数や表示回数(インプレッション数)、クリック率を確認できます。
これらの数値を定期的にチェックし、成果が出ていないアクションやボタンの配置を見直すなど、定期的な分析・改善を繰り返すことが、リッチメニューの運用を成功させるポイントです。
リッチメニューにアクションを設定しても、何のボタンなのかが分かりにくければ、ユーザーは反応しません。
クリック率を高めるためには、ボタンのデザインが重要です。
例えば、「TAP」「▶」などの誘導ワードを添えることで、視覚的なアクション喚起ができます。
また、背景とボタンの色に十分なコントラストを持たせたり、情報を詰め込みすぎず、シンプルで分かりやすいデザインにすることで、視認性が向上するでしょう。
A/Bテストを実施し、複数のデザインパターンを比較するのもおすすめです。クリック率や離脱率のデータをもとに、より効果的なデザインを選定していくと、運用の質が高まります。
LINEリッチメニューをさらに進化させたい場合は、LステップやLinyといった外部ツールを活用するのもおすすめです。
標準機能では実現できない、高度なリッチメニュー設計が可能になります。
予約フォームやアンケートとの連携、ステップ配信、タグ付けによるユーザー管理など、マーケティング施策を強化するための機能も充実しています。
ユーザー一人ひとりに合わせたコミュニケーションが実現し、エンゲージメントの向上にもつながるでしょう。
多くのツールは視覚的なUIで直感的に操作できるため、専門的な知識がなくても設定・運用がしやすいのもメリットです。
LINEリッチメニューのアクション設定は、ユーザーの行動を自然に促すための重要な仕組みです。
「リンク」「クーポン」「テキスト」など、複数のアクションタイプを組み合わせることで、商品購入・予約・問い合わせといった目的に応じた導線を柔軟に設計できます。
クーポンやショップカードを設定してリピーター獲得を促したり、テキストアクションを応答メッセージと連携させれば、よくある質問への自動対応が可能となり、業務効率化にもつながるでしょう。
今回紹介したアクション設定のポイントを活かし、目的に合った設計と改善を繰り返すことで、LINE公式アカウントの運用効果を最大限に引き出せるはずです。
ぜひ自社の運用に取り入れて、成果につながる実践的なリッチメニュー活用を進めてみてください。