動画配信サービスの利用が広がるなか、テレビCMだけでなく、インターネット上の動画広告を活用して幅広いユーザーにアプローチする企業が増えています。
なかでもTVerは、番組視聴中のユーザーに広告を届けられる媒体として注目されています。
この記事では、TVer広告の仕組みや料金、ターゲティングの種類、出稿方法まで分かりやすく解説します。
※こちらの記事は2026年10月5日時点での情報です。
TVer広告とは、民放各局のドラマやバラエティ、ニュースなど幅広い番組の見逃し配信を無料で提供する人気サービス「TVer」で番組を視聴する際に配信される動画広告です。
テレビCMのように番組コンテンツの間に挿入され、視聴ユーザーは原則としてスキップできない仕組みとなっています。
また、スマートフォンやPCだけでなく、コネクテッドTV(CTV)にも動画広告を配信できるのが特徴です。
広告の配信面となる「TVer」の媒体規模は非常に大きく、累計アプリダウンロード数は9,000万(2025年11月時点)、月間ユニークブラウザ数(MUB)は4,470万(2026年1月時点)、月間動画再生数は6.5億回(2025年12月時点)に達するなど、圧倒的なリーチ力を誇ります。
出典:TVer広告「TVer広告とは」
TVer広告とテレビCMはいずれもテレビ番組の視聴ユーザーに向けて配信する広告ですが、以下のような違いがあります。
| 比較項目 | TVer広告 | テレビCM |
| 配信媒体 | TVer | 地上波・BS放送 |
| 視聴デバイス |
・スマートフォン ・PC ・CTV(コネクテッドTV) |
テレビ受像機 (チューナー内蔵テレビ) |
| ターゲティング | ユーザー属性や興味関心、視聴コンテンツなどによるターゲティングが可能 |
エリアや時間帯、番組枠 などによるターゲティングが中心 |
| 配信地域 | 全国、特定エリアいずれも設定可能 | 放送局の放送エリアに準ずる |
| 料金の仕組み | 固定単価形式(CPM)または、オークション形式(CPM/CPCV) |
・番組枠を固定額で買付け(タイムCM) ・GRP(延べ視聴率)や予算をもとに買付け(スポットCM) |
| 効果測定 | 「配信レポート」で視聴データを可視化できる | 視聴率やGRPなどを指標として評価 |
| 広告のスキップ | 原則スキップ不可 |
・視聴時にスキップの概念はない ・録画(タイムシフト)視聴時は早送りでスキップされることが多い |
テレビCMは、番組枠やCM枠を事前に買付ける仕組みが一般的で、幅広い視聴者への一斉リーチに強みがあります。
一方、TVer広告はオークション形式での広告配信に対応しています。
属性や興味関心、視聴コンテンツなどをもとにした細かなターゲティングにも対応しており、自社の予算規模や目的に応じてターゲットを絞った配信が可能です。
TVer広告と同じ動画広告として、特に比較されやすいのがYouTube広告です。
実際に、どちらに出稿すべきか迷っている企業も少なくありません。
TVer広告とYouTube広告の違いは、以下の通りです。
| 比較項目 | TVer広告 | YouTube広告 |
| 配信コンテンツ | 民放テレビ局などが提供する公式コンテンツ | 個人・法人、公式・非公式を問わず多様な動画コンテンツ |
| ターゲティング | ユーザー属性や興味関心、視聴コンテンツなどによるターゲティングが可能 | ユーザー属性や興味関心、検索キーワード、視聴コンテンツなどによるターゲティングが可能 |
| 配信地域 | 全国、特定エリアいずれも設定可能 | 全国、特定エリアいずれも設定可能 |
| 料金の仕組み | 固定単価形式(CPM)または、オークション形式(CPM/CPCV) |
CPV課金・CPM課金が中心で、通常はオークション形式 (一部の予約型フォーマットは固定単価) |
| 効果測定 | 「配信レポート」で視聴データを確認可能 | Google 広告のレポート機能で視聴データ、クリック率などを確認可能 |
| 広告のスキップ | 原則スキップ不可 | スキップ可能な形式もある |
TVer広告は原則としてスキップできないため、広告を最後まで視聴してもらいやすい点が特徴です。テレビ画面(CTV)での大画面視聴も多いため、商品やサービスの印象強化が見込めます。
また、信頼性の高いメディアが提供する公式コンテンツにのみ広告が配信されるため、ブランドセーフティを確保しやすいのも魅力です。
一方、YouTube広告は少額からスタートでき、配信形式が豊富な点がメリットです。
スキップ可能な形式を含む多様なフォーマットが用意されており、視聴者に負担をかけにくい配信を選べます。
ただし、幅広い投稿者のコンテンツが混在しているため、不適切な動画に自社広告が配信されないように掲載先の管理には注意が必要です。
TVer広告は運用型広告で、料金の決まり方には固定単価形式とオークション形式の2種類があります。
| 課金方式 | 課金されるタイミング | 料金の決まり方 |
| CPM | 広告1,000回表示ごと | 固定単価またはオークション |
| CPCV | 広告が完全視聴された場合 | オークション |
広告が1,000回表示されるごとに費用が発生するCPM課金では、あらかじめ決められた単価で配信する固定単価形式と、入札した金額をもとに単価や配信の可否が決定されるオークション形式の両方が採用されています。
一方、広告が最後まで視聴された場合にのみ課金されるCPCV課金では、オークション形式のみが採用されているのが特徴です。
オークション形式の場合、入札によって配信の可否や単価が決まるため、「一律〇万円から」といった決まった料金はありません。
そのため、配信条件やターゲティング、ほかの広告主の入札状況などによって、必要な予算は変動します。
配信目的に応じて、料金の決まり方を柔軟に選べるのもTVer広告の強みと言えます。
あらかじめ決められた単価で配信したい場合は固定単価形式、入札状況に応じて単価を調整しながら配信したい場合はオークション形式という使い分けができるでしょう。
依頼する広告代理店や利用するプランによっては、「最低出稿金額」が決められている場合があります。
また、運用方法によって広告会社側で対応する範囲も異なるため、自社の予算や運用体制に合った方法を代理店に確認すると良いでしょう。
TVer広告の大きな特徴の一つが、ユーザーから直接取得したファーストパーティデータを活用できるターゲティング機能です。
これにより、テレビCMに比べて、より細かな条件を指定した広告配信が可能となります。
ここでは、具体的にどのようなターゲティング機能があるかを紹介します。
TVer広告では、ユーザーが登録・回答した年齢・性別・地域などの属性データをもとに、配信対象を絞り込めます。
テレビCMのように番組枠全体に配信するのではなく、届けたい層を絞って広告を配信できるため、ターゲット外への配信を抑えやすいのが魅力です。
TVer広告では、ユーザーアンケートから取得した17個の「興味関心データ」を活用したターゲティング配信が可能となっています。
| 興味関心データ | ビジネス・経済/自動車/旅行/ショッピング・ファッション/ヘルスケア/ペット/テクノロジー・ガジェット/ゲーム/映画/美容/教育・子育て/環境・SDGs/ラグジュアリー/アート・芸術・音楽/スポーツ・フィットネス/金融・ファイナンス/料理グルメ |
出典:TVer広告「TVer広告とは」
TVer広告では、ドラマやバラエティ、スポーツなど、ユーザーが視聴しているコンテンツのジャンルを条件にしたターゲティング配信にも対応しています。
これにより、子ども向けアニメの視聴者におもちゃやベビー用品の広告を配信するなど、視聴者層と商材が明確にマッチした訴求が可能になるのが強みです。
TVer広告では、コンテンツを36のサブカテゴリーに分類したターゲティングデータが用意されており、特定のジャンルを配信対象から除外することが可能です。
| サブカテゴリ | 恋愛/サスペンス/ヒューマン/医療/刑事/学園/青春/コメディ/スポーツ/ファミリー/ミステリー/ホラー/時代劇/ビジネス/ファンタジー・SF/旅行・街ブラ/トーク/漫才・コント/生活情報/グルメ/クイズ/音楽/報道/ドキュメンタリー/キッズ/ゴルフ/釣り/サッカー/野球/ラグビー/eSports・ゲーム/格闘技/動物/健康/教養/VTR・ロケ番組 |
出典:「【TVer広告】セルフサーブ_配信設定マニュアル_v3.0.8 2026/06/05」
また、テレビの視聴傾向、世帯年収、子どもの有無、視聴デバイスなどを軸にした、より細かなターゲティングにも対応しています。
TVer広告の出稿には、4つのメリットがあります。
TVer広告は、原則スキップができません。
そのため、ユーザーに広告動画を最後まで見てもらいやすいというメリットがあります。
TVer広告の視聴完了率の平均値は、以下の通りです。
【視聴完了率】
6秒:95%
15秒:94%
30秒:93%
45秒:92%
60秒:91%
出典:TVer広告ヘルプセンター「広告視聴完了率について教えてください。」
ユーザーが途中で視聴を終了するケースはあるものの、基本的には最後まで見られるケースが多いと言えます。
また、CM有音完視聴率も84.6%※と高い水準です。
※株式会社マクロミル調べ(2024年11月時点)
出典:TVer広告「TVer広告とは」
TVerは、スマートフォンやPC、CTVなど複数のデバイスから視聴できるサービスです。
普段テレビをあまり見ない層のユーザーにも広告を届けやすいという強みがあります。
実際に、TVer広告が公式に発表しているデータでも、ユーザー属性の幅広さが裏付けされています。
【TVerのユーザー属性(2026年1月1日〜3月31日の集計データ)】
35〜49歳(女性):18.1%
20〜34歳(女性):17.5%
50〜64歳(女性):16.0%
35〜49歳(男性):14.8%
50〜64歳(男性):14.7%
20〜34歳(男性):13.9%
15〜19歳(男女):5.0%
出典:TVer広告「【2026年5月最新】TVerのユーザー属性を解説。利用地域、世代、利用デバイス割合」
若年層から中高年層まで幅広い世代に利用されており、さまざまなユーザー層へ広告を届けやすいのも特徴です。
TVerでは、民放テレビ局などが提供する公式コンテンツが配信され、広告についても放送局基準の審査が行われています。
個人でも動画コンテンツを投稿できる動画配信サイトとは異なり、違法動画や不適切なコンテンツの近くに自社広告が掲載されるリスクを抑えやすいのがメリットです。
ブランドセーフティを確保しやすい環境で広告を配信できることは、企業にとっての安心材料と言えるでしょう。
TVer広告には、表示回数やクリック数、利用金額、視聴完了率、CV数など、さまざまな項目をレポートで確認できる効果測定機能が備わっています。
実際の配信データや調査結果をもとに広告施策を分析し、次回の配信条件やクリエイティブの改善につなげられるのは大きな魅力です。
さらに外部の効果計測ツールや調査パートナーとの連携にも対応しており、コンバージョンの計測やブランドリフト調査など、目的に応じた効果検証も可能です。
TVer広告にはさまざまなメリットがある一方で、いくつかの注意点もあります。
TVer広告に出稿するためには、入稿規定に沿った動画クリエイティブを用意する必要があります。
すでにテレビCM用の素材がある場合は、入稿規定に沿って調整することで流用できるケースもありますが、規定に合わない場合は新たに制作しなければなりません。
動画制作を外部に依頼する場合は、広告費用に加えて制作費も考慮しておく必要があるでしょう。
スマートフォンだけでなくテレビの大画面で視聴されることも想定して、見やすさや音声にも配慮して制作することが大切です。
TVerに広告を出稿するには、広告主が広告掲載基準を満たしているか確認する業態考査と、広告素材を確認する素材考査という2つの審査を通過しなければなりません。
審査には一定の日数がかかるため、配信開始まで余裕を持って準備する必要があります。
TVer広告は、ターゲティング機能が充実しているのが強みです。
しかし、ターゲティング条件を細かく設定しすぎると、配信対象が狭まり、希望する配信量を確保しにくくなる可能性があります。
TVer広告は、申し込み後に各放送局による審査を経て配信が開始されます。
放送局基準のブランドセーフティを担保するため、広告主の業態と広告素材それぞれに審査期間が設けられているのが特徴です。
基本的な流れは、以下の6つのステップで進みます。
広告代理店に相談・申し込みをする
アカウントが開設される
業態考査を受ける
配信条件を設定する
広告素材を入稿して素材考査を受ける
広告配信を開始する
TVer広告は広告主との直接取引を行っていないため、広告代理店を通じて出稿する必要があります。
配信前には業態考査・素材考査という2つの審査があり、それぞれ通常3営業日程度かかるため、配信希望日から逆算して余裕を持って準備を進めましょう。
考査を通過した放送局から順次配信が始まる仕組みのため、必ずしもすべての放送局で同時に配信が開始されるとは限りません。
放送局側の考査結果や広告在庫の状況によっては、広告が掲出されないことも考えられます。
広告配信が開始された後には、管理画面から配信実績が確認できるようになります。
TVer広告は幅広いユーザー層にリーチできるのが魅力ですが、広告を出稿するだけで十分な成果が得られるとは限りません。
続いては、TVer広告で成果を出すために重要な3つのポイントを解説します。
TVer広告はターゲティング機能が充実しているため、認知拡大や商品理解、来店促進など、広告で狙う成果によって、ターゲティング機能で設定するべき項目や内容が変わってきます。
認知拡大が目的であれば、ターゲットを絞り込みすぎず、一定のリーチを確保できるように配信条件を設定することが重要です。
一方、来店促進が目的であれば、店舗周辺の特定エリアに絞って配信することで、より効率的に見込み客へアプローチできます。
TVer広告は市区町村単位でエリアを設定できるため、地域に密着した店舗やサービスの広告にも活用しやすいでしょう。
ただし、配信対象を絞り込みすぎるとリーチできるユーザーが減ってしまうため、十分な配信量を確保できるかどうかのバランスも考慮して設定しましょう。
TVer広告は原則スキップができないため、最後まで見てもらいやすいのが特徴です。
しかし、ただ流れているだけの状態と、視聴者が興味を持って能動的に見ている状態とでは、広告効果は大きく異なります。
TVer広告では、動画の品質が広告効果を大きく左右します。
動画広告の効果を高めるには、早いタイミングで商品やサービスの訴求内容を伝え、視聴者の興味を引くことが重要です。
特にテレビで視聴されるケースも多いため、映像のインパクトや文字の大きさ、音声の明瞭さなど、デバイスを問わず視聴者の目を引く工夫を凝らすことが大切です。
ただ広告を配信するだけでは、狙ったユーザー層に十分リーチしているのか、視聴者の興味を引けているのかを判断できません。
TVer広告は効果測定の機能が充実しているため、配信実績をこまめに確認することが大切です。
ターゲティングやクリエイティブを継続的に見直し、狙ったユーザー層への配信効率を高めていきましょう。
ここからは、TVer広告に関するよくある質問にお答えします。
TVer広告は運用型広告であり、一律の最低出稿金額は定められていません。
ただし、利用するプランや依頼する広告代理店によっては、最低出稿金額が定められているケースがあります。実際にTVer広告を配信する際には、代理店とともに目的に応じた予算設計を立てていきましょう。
具体的な日数はケースによって異なりますが、業態考査と素材考査にはそれぞれ通常3営業日程度かかります。
新規に代理店契約を行う場合は、契約や管理画面の発行にも日数を要するため、余裕を持って準備しましょう。
TVer広告自体には契約時の初期費用はかからず、広告が掲載された分のみ支払いが発生する仕組みです。
ただし、広告代理店を通して出稿する場合、広告配信費だけでなく、初期費用や運用手数料、動画制作費などが発生する場合があります。
具体的な初期費用や手数料については、依頼する広告代理店に確認しましょう。
TVer広告は、民放テレビ局などが提供する公式コンテンツに広告を配信でき、デジタル広告ならではのターゲティング設定や効果測定が可能なのが魅力です。
ただし、テレビCMやYouTube広告とは異なる特徴もあるため、仕組みや料金、ターゲティング、出稿方法を理解したうえで、自社の広告目的やターゲットに合うかを検討することが欠かせません。
株式会社セプテーニは、TVer広告の出稿実績が評価される「TVer Sales AWARD」にて、Gold Partnerを5年連続で受賞しております。
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