テレビ視聴のスタイルが多様化するなかで、多くの企業から注目を集めているのがコネクテッドTV(CTV)広告です。
インターネットに接続されたテレビを通じて動画配信サービスを視聴するユーザーが増えたことで、従来のテレビCMとは異なる新しい広告手法として活用が広がっています。
しかし、「どのようなメリットがあるのか」「始め方はどうすれば良いのか」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、CTV広告の基本から種類や媒体、導入の流れまでを分かりやすく解説します。
※こちらの記事は2026年5月25日時点での情報です。
コネクテッドTV(CTV)広告とは、インターネットに接続されたテレビ端末上で配信されるデジタル広告のことです。
インターネット接続機能が搭載されたスマートテレビ、Fire TV StickやChromecastなどのストリーミングデバイスを利用し、動画配信サービスを視聴する際に広告が表示されます。
近年は地上波放送に加えて、テレビでの動画配信サービスの利用者数が拡大しており、CTV広告の重要性も高まっています。
リビングのテレビで家族や個人が動画コンテンツを楽しむ視聴スタイルも定着しつつあり、テレビとデジタルの境界が曖昧になっていると言えるでしょう。
企業のマーケティングにおいても、従来のテレビCMとデジタル広告を分断して考えるのではなく、両者を横断して最適化する動きが進んでいます。テレビのリーチ力とデジタルの柔軟性を併せ持つCTV広告は、新たな広告チャネルとして注目されているのです。
続いては、コネクテッドTV(CTV)広告の特徴とメリットについて、さらに詳しく説明します。
テレビの大画面で配信されるCTV広告は、視認性の高さと没入感の強さが最大のメリットです。
テレビ視聴は、スマートフォンやPCと比較して、一定時間集中して視聴されやすい傾向にあります。音声と映像を組み合わせたストーリー性のある訴求により、広告メッセージが記憶に残りやすいでしょう。
商品やサービスの世界観をしっかりと伝えられるため、認知拡大やブランディング施策として活用されるケースが増えています。
従来のテレビCMは番組単位での配信が中心であり、視聴者の属性を細かく絞ることは難しい側面がありました。
一方でCTV広告は、インターネット回線を通じて配信されるため、年齢・性別・地域といったユーザー属性のほか、視聴履歴や興味関心データを活用したターゲティングが可能です。
特定のデバイスや世帯単位での配信、既存顧客データとの連携(リターゲティング)などにも対応できるため、無駄な配信を抑えながら効率的に見込み顧客へアプローチできるでしょう。
配信後の効果測定や分析がしやすい点も、CTV広告のメリットです。具体的には、インプレッション数やリーチ数、完全視聴率などの指標をもとに、広告のパフォーマンスを詳細に把握できます。
どのターゲットにどのクリエイティブが効果的だったのかという分析が可能なため、配信内容の最適化やABテストによる改善にもつなげられるでしょう。
コネクテッドTV(CTV)広告には、いくつかの配信フォーマットがあり、それぞれに広告を表示させる場所や期待できる効果が異なります。ここでは、それぞれのフォーマットの特徴や想定される活用シーンの違いについて紹介します。
インストリーム動画広告は、動画コンテンツの再生前・再生途中・終了後に表示される広告です。
CTV広告の一般的な形式で、YouTubeやTVer、広告付きプランの動画配信サービスなどで広く活用されています。
テレビCMに近い自然な形で訴求でき、視聴者はコンテンツを視聴する流れのなかで広告に接触するため、広告の視認性が高く、ブランドメッセージを伝えやすいのが特徴です。
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フォーマット |
配信されるタイミング |
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プレロール広告 |
動画コンテンツの再生前 |
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ミッドロール広告 |
動画コンテンツの再生途中 |
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ポストロール広告 |
動画コンテンツの終了後 |
動画視聴前に表示される「プレロール広告」は、注目度が高まりやすい傾向があります。
一方、「ミッドロール広告」は番組の途中で挿入されるため離脱されにくく、完全視聴率が安定しやすいのがメリットです。
視聴後に表示される「ポストロール広告」は、クリックや次のアクションにつながりやすい反面、視聴されない可能性もあるため、目的に応じた使い分けが重要です。
また、インストリーム動画広告にはスキップ可能な「スキッパブル広告」と、一定時間スキップできない「ノンスキッパブル広告」があります。ノンスキッパブル広告は最後まで視聴されやすい一方で、ユーザー体験を損なうリスクに注意が必要です。
配信頻度の調整や短尺クリエイティブの活用など、ストレスを軽減する工夫が必要になるでしょう。
ディスプレイ広告は、CTV端末のホーム画面やアプリ一覧画面、動画配信サービス内のメニュー画面などに表示されるバナー形式の広告です。動画視聴中以外のタイミングでも接触機会を創出できるため、幅広いユーザーにリーチできます。
静止画バナーだけでなく、短尺動画やアニメーションを組み合わせたリッチクリエイティブにも対応しており、サービスの認知拡大やキャンペーン告知などに適しているでしょう。
特定の時間帯や地域、視聴傾向に応じて配信面を最適化できるため、効率的な露出設計が可能です。
テレビの起動時やアプリ選択時などに表示されることから、ユーザーの関心を引きやすいフォーマットとも言えます。
コネクテッドTV(CTV)広告は、地上波やBS放送のテレビCMとは異なり、インターネット回線を通じて利用される動画配信サービス(OTT)で表示されます。
近年、OTTの視聴時間はテレビ全体でも大きな割合を占めるようになり、存在感を高めつつあります。CTV広告は、広告主にとって無視できない重要なチャネルとなっており、媒体ごとの特性を理解し、目的に応じて使い分けることが大切です。
ここでは、CTV広告が配信可能な代表的なOTTサービスをいくつか紹介します。
TVerは、民放公式テレビ配信サービスとして、見逃し配信を中心に多くのテレビ番組を無料で視聴できる国内最大級のプラットフォームです。日本テレビ・テレビ朝日・TBS・テレビ東京・フジテレビなどが共同で運営しており、ドラマやバラエティ、報道番組など幅広いジャンルのコンテンツを提供しています。
テレビ局が制作した高品質なコンテンツ内で広告を配信できるため、従来のテレビCMに近い形で自然に視聴者へ訴求できるのが特徴です。番組ジャンルや視聴データを活用したターゲティングも可能で、特定の興味関心を持つユーザーに効率的にアプローチできます。
広告の尺やフォーマットの柔軟性も高く、認知拡大から購買促進まで幅広い目的に対応できる媒体と言えるでしょう。
ABEMAは、サイバーエージェントとテレビ朝日が共同で運営するインターネットテレビサービスです。ニュース・スポーツ・オリジナル番組・恋愛リアリティショーなど、多様なコンテンツを展開しています。
スマートフォンユーザーからの支持も高く、CTVとモバイルの両方で接触できる点が特徴です。若年層(20〜30代)へのリーチに強みを持ち、テレビ離れが進む層に対して効率的に広告配信ができる点が評価されています。
また、番組連動型の広告企画やスポンサーシップなど、コンテンツと一体化した訴求も可能で、ブランドの世界観を深く伝えたい場合にも適しているでしょう。
YouTubeは、世界最大級の動画プラットフォームであり、幅広い年齢層に利用されています。特に近年、リビングのテレビで長時間YouTubeを視聴するユーザーが増えているのが特徴です。
Google広告の仕組みを活用することで、検索履歴や視聴履歴、興味関心データにもとづいた高精度なターゲティングができます。スキップ可・不可の動画広告やバンパー広告など、多様なフォーマットに対応しているため、目的や予算に応じて柔軟に設計できるでしょう。
CTV環境ではスマートフォンよりも視聴時間が長くなる傾向があり、商品やサービスの認知度向上が期待できます。
Amazon Prime Videoは、Amazonのプライム会員向けに提供されている動画配信サービスです。
映画・ドラマ・スポーツ・オリジナル作品など豊富なコンテンツを視聴できます。
最大の特徴は、Amazonが保有する購買データや閲覧履歴を活用した精度の高いターゲティングです。ユーザーの購買意欲や興味関心にもとづいて広告配信ができるため、商品購入やECサイトへの誘導といった成果につながりやすいでしょう。
Fire TV Stickなどのデバイスと連携したインタラクティブな訴求も実現できます。
Netflixは、世界有数の会員数を誇る動画配信サービスです。
広告付きの低価格プランが提供されており、CTV広告の新たな配信先として注目されています。オリジナル作品を中心とした高品質なコンテンツが多く、ユーザーの視聴没入度が高い点が特徴です。
広告は作品の前後や途中に挿入され、視聴体験を大きく損なわない形で配信されます。ブランドセーフティーの観点でも優れており、企業イメージを重視した広告出稿に適しているでしょう。
動画広告が基本ですが、米国ではインタラクティブ広告フォーマットのテスト配信も進められています。
コネクテッドTV(CTV)広告はインターネット広告の一種です。
少額から自分で出稿できる媒体もあれば、代理店経由での出稿が前提となるプレミアム媒体も存在します。そのため、どの媒体でどのような運用をするのかを事前に整理しておくことが重要です。
目的設計からクリエイティブ、配信後の改善までの流れを一貫して設計することで、費用対効果を高めやすくなるでしょう。
ここからは、CTV広告を出稿する方法について、基本的な流れを紹介します。
まずは、CTV広告で何を達成したいのか、目的やKPIを明確にしましょう。
認知拡大、サイト流入、興味関心の向上など、目的によって最適な施策や評価指標が変わります。
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目的 |
評価指標 |
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認知拡大 |
・リーチ数 ・フリークエンシー ・完全視聴率 |
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興味関心・比較検討 |
・ビュースルー ・ブランドリフト ・サイト訪問数(クリック経由) |
認知目的であれば「リーチ数」「フリークエンシー」「完全視聴率」などを重視し、ブランド認知度向上を測る設計が効果的です。サイト流入や比較検討の促進が目的であれば、「ビュースルー」「ブランドリフト」、クリックによる「サイト訪問数」などを評価指標とすると、広告効果をより具体的に把握できるでしょう。
また、KPIは単一ではなく複数設定するのが一般的です。認知とブランドへの寄与を組み合わせることで、施策全体のパフォーマンスを多角的に把握しやすくなります。
次に、広告を届けたいターゲット層を具体的に定義し、適した配信媒体を選定します。
年齢・性別・地域といった基本属性に加え、「どのようなライフスタイルか」「どんなコンテンツを視聴しているか」「購買意欲はどの程度か」といった視点まで深掘りすることで、より精度の高い配信設計が可能です。
例えば、若年層へのアプローチを重視する場合はABEMAやYouTube、テレビ番組に近い視聴体験を重視する場合はTVer、購買意欲の高い層を狙う場合はAmazon Prime Videoなどが選ばれる傾向にあります。
また、単一媒体に絞るのではなく、複数媒体を組み合わせて配信することで、リーチの拡大と接触頻度の最適化を図ることも重要です。媒体ごとの強みを理解し、目的に応じて使い分けると、成果につながりやすいでしょう。
CTV広告の動画は、スマートフォンやPC向けのWeb広告とは異なり、テレビの大画面かつ音声ありで視聴される点を前提に設計することが重要です。細かい情報を詰め込むよりも、映像と音で直感的に伝わるシンプルな構成を意識しましょう。
冒頭で興味を引く
テキストは大きくシンプルにする
情報を詰め込みすぎない
ブランド名やロゴを早めに提示する
二次元コードや「検索」などの導線設計で行動を促す
冒頭数秒で視聴者の興味を引き、短時間でメッセージを明確に伝えることがポイントです。
また、ブランド名やロゴを早い段階で提示し、最後には「詳しくはこちら」などの行動喚起を入れることで、視聴後のアクションにつなげやすくなります。
配信媒体が決まったら、広告素材の入稿と配信設定を行います。
YouTubeなどのプラットフォームでは自社で管理画面から設定できますが、TVerや一部のOTTサービスでは代理店を通じた出稿が必要となる場合があります。自社のリソースや運用体制に応じて、最適な方法を選択しましょう。
配信設定では、予算、配信期間、ターゲティング条件、クリエイティブの出し分けなどを細かく設計します。特に、同じユーザーに過度に表示されると不快感につながる可能性があるため、適切な頻度管理が重要です。
プレミアムメディアでは広告審査が行われるのが一般的で、業種や表現内容によっては修正が求められる場合もあります。事前に入稿規定を確認したうえで、スケジュールに余裕を持って進めましょう。
CTV広告は、配信後の効果測定と改善を繰り返すことで、パフォーマンスを高めていくことが重要です。
設定したKPIに対してどの程度の成果が出ているかを定期的に確認し、必要に応じてターゲティングやクリエイティブを見直しましょう。
また、短期間の結果だけで判断するのではなく、一定期間のデータをもとに傾向を分析することも大切です。複数のクリエイティブや配信条件でテストを行い、より効果の高いパターンを見極めていくことで、広告効果の最大化につながります。
コネクテッドTV(CTV)広告は、テレビの大画面ならではの高い視認性と没入感を活かしながら、デジタル広告のターゲティングや効果測定ができる新しい広告手法です。従来のテレビCMでは難しかったデータドリブンな広告運用が可能となります。
近年は、動画配信サービスの普及によりテレビの視聴スタイルが大きく変化し、CTVを通じたコンテンツ視聴が一般化しています。広告市場においてもCTVの存在感は年々高まっており、今後も成長が期待される領域と言えるでしょう。
一方で、CTV広告は媒体ごとの仕様や審査基準、入稿フローが異なるため、初めて取り組む場合は難しさを感じることもあります。クリエイティブ制作においても、テレビ視聴に適した表現や構成が求められるため、Web広告とは異なるノウハウが必要です。
株式会社セプテーニは、TVerの「TVer Sales Awards 2024」において4年連続でGold Partnerを受賞するなど、TVerをはじめとするCTV広告の運用実績とノウハウに強みがあります。
SNS広告など各種デジタル広告の統合的な支援も可能なため、CTV広告の活用を検討する際にはぜひお気軽にご相談ください。