LINEは、企業と顧客をつなぐ重要なコミュニケーションツールとして幅広く活用されています。
なかでも、問い合わせ対応や商品案内などを自動化できる「LINEチャットボット」は、業務効率化や顧客満足度の向上に役立つ仕組みです。
この記事では、LINEチャットボットの基本的な仕組みやメリット、企業の活用事例を紹介するとともに、作り方やLINE公式アカウントとの連携方法まで分かりやすく解説します。
※こちらの記事は2026年10月27日時点での情報です。
LINEチャットボットとは、LINE公式アカウント上で、ユーザーから送られたメッセージに自動で返答する機能です。
営業時間や商品情報、よくある質問などへの回答を自動化できるため、問い合わせ対応の負担軽減や、営業時間外のユーザー対応に役立ちます。
LINE公式アカウントの管理画面で使える機能としては、「応答メッセージ」と「AIチャットボット(β)」の2つがあります。
「応答メッセージ」は標準機能として無料で利用でき、「AIチャットボット(β)」は有料オプション「チャットProオプション」の機能です。
応答メッセージは、設定したキーワードに応じて自動返信する仕組みで、専門的な開発知識がなくても無料で導入できます。
一方、AIチャットボット(β)は、登録したQ&AをもとにAIが回答する仕組みで、「チャットProオプション(月額3,000円・税別)」への加入が必要です。
※業種や取り扱う情報によっては、LINEヤフーの判断により、チャットProオプションへの加入有無にかかわらずAIチャットボット(β)を利用できない場合があります。
さらにMessaging APIを活用すれば、外部システムと連携した、より高度なチャットボットを構築できます。Messaging API自体の利用は無料ですが、プッシュメッセージなどアカウント側から送信するメッセージは、LINE公式アカウントの料金プランのメッセージ通数にカウントされます。
【応答メッセージ・AIチャットボット(β)・Messaging APIの違い】
| 項目 | 応答メッセージ | AIチャットボット(β) | Messaging API |
| 費用 | 無料で利用可能 | 有料の「チャットProオプション」への加入が必要 | 無料で利用可能 (外部ツールの利用料や開発・運用費用などが発生する場合がある) |
| 主な機能 | 一律応答、キーワードに応じた定型返信 | 登録したQ&Aをもとに、ユーザーの質問内容に応じてAIが自動返信 | シナリオ分岐、診断コンテンツ、外部システムやCRM(顧客関係管理)とのデータ連携など |
| 向いている企業 | よくある質問への回答など、簡単な自動応答から始めたい企業 | キーワードの完全一致に頼らず、より柔軟に問い合わせへ対応したい企業 | 独自の会話フローや外部システムとの連携など、高度な仕組みを構築したい企業 |
LINEチャットボットを導入する際は、必要な機能や予算、運用体制を整理したうえで、自社に合った方法を選びましょう。
LINEチャットボットには、顧客対応とマーケティングの両面でメリットがあります。
ユーザーが普段から使い慣れているLINE上でやり取りできるため、ユーザーにとって問い合わせのハードルが低く、企業との接点が生まれやすくなります。
LINEチャットボットを導入すると、営業時間や送料、返品方法など、繰り返し寄せられる定型的な質問への回答を自動化できます。
担当者が同じ内容の問い合わせに1件ずつ対応する必要がなくなるため、問い合わせ件数が多い企業ほど対応工数の削減が期待できるでしょう。
また、あらかじめ設定した内容にもとづいて回答するため、担当者ごとの説明のばらつきを防ぎ、品質を一定に保ちやすい点もメリットです。
なお、定型的な問い合わせ対応はチャットボットで自動化しつつ、解決しにくい相談は有人対応へつなぐのが一般的な運用方法です。
チャットボットによる自動応答であれば、電話や有人チャットの受付時間を気にせず、ユーザーが知りたいタイミングで問い合わせが可能です。
例えばECサイトの場合、「送料はいくらか」「いつ届くのか」「サイズ交換はできるのか」といった疑問にその場で回答できれば、ユーザーは購入を検討しやすくなります。
電話での保留待ちやメールの返信を待つ必要がないため、回答までの時間を短縮でき、疑問を抱えたユーザーの離脱防止にもつながるでしょう。
Messaging APIを活用したLINEチャットボットでは、ユーザーの回答や操作に合わせて表示する内容を変えるなど、柔軟なコミュニケーションを設計できます。
「目的」「悩み」「予算」などを順番に質問する診断形式のチャットボットを用意し、その回答に合った商品やサービスを提案することも可能です。
LP(ランディングページ)だけでは伝えきれない情報を会話形式で補足したり、ユーザーごとに適した商品や申し込みページへ案内したりすることで、購入や予約、資料請求などのCV(コンバージョン)を後押しできる点もメリットです。
LINEヤフー Partner Programで 2026年度Sales Partner「Premier」に認定されているセプテーニでは、LINE公式アカウントとチャットボットを組み合わせ、LPを離脱したユーザーに効果的にアプローチするためのソリューションを提供しています。
具体的な取り組みの詳細については、以下の記事をご覧ください。
LINEチャットボットは、問い合わせ対応だけでなく、各種手続きや予約、商品・サービスへの案内など、幅広い用途で活用されています。
ここでは、企業によるLINEチャットボットの活用事例を3つ紹介します。
ヤマト運輸のLINE公式アカウントでは、ユーザーがクロネコメンバーズのIDと連携することで、荷物に関する通知の受け取りや各種手続きをLINE上で行えます。
「いつ届く?」「配達状況は?」といった荷物の問い合わせに対応するだけでなく、受け取り日時・場所の変更や再配達依頼など、ユーザーが必要とする手続きまでLINEから進められる点が特徴です。
日常的に利用しているLINEを窓口とすることで、ユーザーがWebサイトを改めて検索する手間を減らし、荷物の受け取りに関する利便性を高めています。
出典:ヤマト運輸「LINEで宅急便」
KDDIでは、LINE公式アカウント「auサポート」の問い合わせ対応に生成AIを活用しています。
2024年には、ユーザーの入力内容をAIが要約し、情報が不足している場合には追加で質問する仕組みを導入しました。
これにより、ユーザーを適切な回答へ誘導し、解決までの時間短縮を図っています。
さらに2026年3月からは、自律型AIエージェントによる問い合わせ対応も開始しました。
問い合わせ対応の初期段階からAIを活用し、解決率とスピードの向上を図っている事例です。
出典:KDDI ニュースルーム「au、チャットボット問い合わせ対応に生成AIを活用開始」「お客さまセンターの応対実績を基に独自開発した自律型AIエージェントによるお問い合わせ対応を開始」
就職・転職支援サービスを展開するUZUZでは、LINE公式アカウントのチャットボットを活用し、求人紹介や面談予約を効率化しています。
オウンドメディア経由で友だち追加したユーザーに対し、チャットボットとの会話を通じて面談予約まで迷わず進める導線を構築しました。
その結果、LINE経由の問い合わせは全体の約3割を占め、そこからの面談予約率は55%に達しています。
問い合わせへの回答だけで終わらせず、その後の面談予約というCVまでスムーズにつないでいる点が特徴です。
出典:LINEヤフー for Business「面談予約率55%! LINEのチャットボットを活用して求職者への情報提供をスムーズに」
続いては、LINEチャットボットの作り方や連携方法を紹介します。
LINE公式アカウントに標準搭載されている「応答メッセージ」を利用すれば、すぐにLINEチャットボットの運用を開始できます。
応答メッセージの設定手順は、以下の通りです。
①LINE Official Account Managerの「応答メッセージ」を開く
②右上の「作成」をクリックする
③タイトル、応答タイプ、スケジュール、返信内容を登録し、「利用開始」をクリックする
応答メッセージには、すべての問い合わせに同じ内容を返信する「一律応答」と、設定したキーワードに応じて返信する「キーワード応答」の2つがあります。
テキストだけでなく画像なども設定できるため、FAQ対応だけでなく商品やサービスの案内にも活用できます。
AIチャットボット(β)を実際のユーザー対応に利用する場合は、まず「チャットProオプション」を購入したうえで、LINE Official Account Managerから設定を行います。
①LINE Official Account Managerの「設定」>「利用と請求」>「拡張オプション」から 「チャットProオプション」を購入する(支払い方法の登録が必要です)
②LINE Official Account Managerで「AIチャットボット(β)」を開き、利用を開始する
AIチャットボット(β)では、あらかじめ登録したQ&Aをもとに、ユーザーの質問内容に応じて適切な回答を自動で返信できます。
AIが質問内容を判別するため、キーワードと完全に一致しない質問にも対応しやすく、応答メッセージより柔軟な問い合わせ対応を行いたい場合に適しています。
また、PDFや画像などのデータからQ&Aを自動生成する機能もあり、Q&Aを登録する手間を抑えられます。
独自の会話フローや診断コンテンツを作成したり、自社システムと連携したりしたい場合は、Messaging APIを利用します。
Messaging APIの設定は、以下の手順で行いましょう。
Messaging APIを利用できるLINE公式アカウントを準備する
Messaging APIを有効にする
Messaging APIチャネルを設定する
Webhook URLなどを設定する
チャットボット側のシステムと接続する
出典:LINE Developers「Messaging APIを始めよう」
LINE公式アカウントを新規開設する場合は、ビジネスマネージャーとの接続が必須です。また、ビジネスアカウント(メールアドレス)でログインする場合は2段階認証が必須のため、認証に使用する端末やメールアドレスをあらかじめ準備しておきましょう。
Messaging APIを利用した開発には、プログラミングやサーバーに関する知識が必要です。
自社に開発リソースがない場合は、Messaging APIに対応したチャットボット構築ツールや、LINEヤフー Partner Programの「Technology Partner」が提供するサービスを活用する方法もあります。
セプテーニのグループ会社である株式会社FLINTERSは、2026年度Technology Partner コミュニケーション部門「Advanced」に認定されており、LINE公式アカウント向けSaaS「LOOPASS」でチャットボット構築から配信・外部システム連携まで支援しています。
LINEチャットボットは、導入するだけで成果が得られるものではありません。
問い合わせ対応の効率化やCV獲得につなげるためには、目的に合った仕組みを選び、ユーザーが使いやすい状態を維持していく必要があります。
ここでは、LINEチャットボットを効果的に活用するために押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
まずは、「問い合わせ対応を効率化したい」「商品選びをサポートしたい」「予約や申し込みにつなげたい」など、LINEチャットボットを導入する目的を明確にしましょう。
最初から多くの機能を盛り込むと、設定や運用が複雑になり、かえって使いにくくなる可能性があります。
目的を整理し、必要な機能に絞って導入するのがおすすめです。
運用開始後に「対応できる質問を増やしたい」「より柔軟な会話を実現したい」といった課題が見えてきた段階で、AIチャットボット(β)やMessaging APIへ拡張していくと良いでしょう。
すべての問い合わせをチャットボットだけで解決しようとせず、有人対応と適切に役割を分けることも重要です。
営業時間や送料など回答が決まっている質問はチャットボットで対応し、クレームや個別の契約内容など、状況に応じた判断が必要な問い合わせは担当者につなぐと良いでしょう。
自動応答と有人対応を組み合わせた体制を強化したい場合は、「LINEチャットPlus」を活用する方法もあります。月額20万円(税別)のオプションで、チャットボットだけでは対応しにくい問い合わせを有人対応へ引き継ぐ運用が可能です。
ただし、利用にあたっては認証済アカウントであることに加え、Technology Partner(コミュニケーション部門)が提供するソリューションの導入が必要となります。
セプテーニでは、グループ会社のFLINTERS(LINEヤフー Partner Program Technology Partner コミュニケーション部門「Advanced」認定)と連携し、導入のご支援が可能です。
自動応答で解決できなかった場合に、有人チャットや問い合わせ窓口へスムーズに移れる導線を用意しておくことで、ユーザーの利便性を損なわずに済みます。
チャットボットは運用開始後も、利用状況を確認しながら継続的に改善していく必要があります。
回答できなかった質問が多い場合はQ&Aを追加し、途中離脱が多い場合は質問数や選択肢、メッセージの内容を見直しましょう。
マーケティング目的で活用する場合は、友だち追加数だけでなく、チャットボットの利用率やリンクのクリック数、予約・申し込みなど、その後の行動まで確認することが大切です。
ユーザーがどこで離脱し、どの導線からCVにつながっているかを分析・改善することで、顧客満足度やコンバージョン率の向上にもつなげやすくなります。
LINEチャットボットは、問い合わせ対応の自動化や営業時間外のサポート、商品・サービスへの案内など、顧客対応とマーケティングの両面で活用できます。
自社の課題や運用体制を整理し、必要に応じて応答メッセージやAIチャットボット(β)、Messaging APIを使い分けることが大切です。
セプテーニでは、LINE公式アカウントとチャットボットを活用し、ユーザーとのコミュニケーションを最適化しながら、商品購入や申し込みなどのCVにつなげるためのソリューションを提供しています。
マーケティング施策の具体的な活用方法については、以下のセミナー動画でも詳しく解説しています。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。