ElevenLabs(イレブンラボ)は、アメリカ生まれのAI音声ジェネレーターです。
違和感の少ないリアルな音声を作成できることから全世界で注目を集め、ナレーションや動画制作、マーケティング分野での活用が広がっています。
しかし、英語圏で人気のAIツールのため、日本語対応の有無やどのように活用できるのかが気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ElevenLabsの特徴や料金プラン、具体的な使い方、ビジネスで役立つマーケティング活用事例について詳しく解説します。
※こちらの記事は2025年9月25日時点での情報です。
ElevenLabs(イレブンラボ)は、AIを活用した高性能な音声ジェネレーターで、自然なイントネーションや感情表現まで再現できるのが特徴です。
アメリカ発のスタートアップ企業ElevenLabs社が提供しており、2022年の創業から急成長を遂げ、2024年には時価総額33億ドルに到達するユニコーン企業※となりました。
※時価総額10億ドル以上の未上場企業
さらに2025年4月には東京に日本法人「イレブンラボ合同会社(ElevenLabs G.K.)」を設立し、日本市場への本格参入を果たしています。
主な機能としては、テキスト読み上げや、声質をコピーして新しい音声を生成するボイスクローン、複数言語に対応した音声変換などがあり、動画制作やマーケティング、教育分野で幅広く活用されています。
特に日本語対応の進展が注目されており、国内ユーザーにとっても実用性の高いサービスです。
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ElevenLabs(イレブンラボ)は、ほかの音声生成AIにはない独自の強みを備えており、リリースからわずかな期間で世界中から注目を集めました。
単なるテキスト読み上げにとどまらず、リアルな感情表現や多言語対応など、さまざまなシーンで実用的に使える点が高く評価されています。
ここでは、ElevenLabsならではの5つの特徴を紹介します。
ElevenLabsには、1,000種類以上の音声バリエーションが用意されています。年齢や性別、声の高さ、話し方のトーンまで細かく調整でき、自社ブランドやコンテンツのイメージに最適な音声の生成が可能です。
さらに、対応言語は日本語や英語はもちろん、中国語、スペイン語、ドイツ語、フランス語など70以上に及びます。グローバル展開を目指す企業が広告動画や商品説明を多言語でナレーションする際、国や地域ごとに発音やニュアンスを最適化できる点も大きなメリットです。
ElevenLabsは日本語にも正式対応しており、公式サイトでは日本語のサンプル音声を視聴することができます。
自然な日本語で読み上げられるため、英語中心の海外製サービスにありがちなイントネーションの不自然さを感じにくいのが特徴です。
サンプルを作成して声色の違いも確認できるため、より自然なイントネーションや自社ブランドのイメージに合った声色で音声を生成したい方にとって大きな安心材料となるでしょう。
ElevenLabsの強みの一つが、生成スピードの速さと音声品質の高さです。テキストを入力すると文章によっては数秒で音声ファイルを生成できるため、リアルタイム性が求められる顧客対応や、動画編集の効率化にも活用できます。
2025年5月に登場したElevenLabsのEleven v3モデルでは、従来型の合成音声と比べてより自然なイントネーションを実現しており、ナレーションや動画編集、教材作成など幅広い分野での活用が期待できるでしょう。
ElevenLabsが提供する「Dubbing Studio」では、動画ファイルや動画URLをアップロードすると、既存の音声をAI生成音声に差し替えることが可能です。
多言語の吹き替えやアクセント調整が簡単にできるため、企業の研修動画を外国人社員向けに配信したり、英語のマニュアル動画を日本語に吹き替えしたりと、ビジネスシーンでの幅広い活用が期待できます。
ElevenLabsは無料プランでも基本的な音声生成機能を体験できますが、利用時間や出力に制限があり、生成した音声を商用利用することはできません。
そのため、本格的に活用する場合は有料プランの契約が必要です。有料プランでは商業ライセンスが付与され、広告動画やSNS投稿、企業プロモーションで安心して利用できます。
生成可能な音声時間数も大幅に増加するため、長時間のナレーションや大量のコンテンツ制作も対応可能です。
料金は月額5ドル(約730円※)からと比較的手頃のため、中小企業や個人クリエイターにとっても導入ハードルが低く、マーケティング活動やSNS運用の効率化につながるでしょう。
※2025年9月時点でのレート
ElevenLabs(イレブンラボ)の料金プランは、以下の通りです。
プラン名 |
月額料金 |
年額料金 |
テキスト読み上げ (TTS)時間の目安 |
商用利用 |
無料 |
ー |
ー |
約10分 |
× |
スターター |
5ドル(約730円) |
4.17ドル(約620円) |
約30分 |
〇 |
クリエイター |
22ドル(約3,200円) ※初月50%オフ適用で11ドル (約1,600円) |
18.33ドル(約2,700円) |
約100分 |
〇 |
プロ |
99ドル(約14,600円) |
82.5ドル(約12,200円) |
約500分 |
〇 |
スケール |
330ドル(約48,700円) |
275ドル(約40,650円) |
約2,000分 |
〇 |
ビジネス |
1,320ドル(約195,000円) |
1,100ドル(約162,600円) |
約11,000分 |
〇 |
エンタープライズ |
カスタム価格 |
カスタム価格 |
カスタム(無制限可能) |
〇 |
※2025年9月時点のレート
ElevenLabsの料金体系は、個人利用から大規模法人まで幅広いユーザー層に対応できるよう設計されています。
無料プランはお試しとして便利ですが、商用利用はできないため、広告やSNS動画などに使う場合は「スターター(Starter)」以上のプランを選びましょう。
「テキスト読み上げ(TTS)時間」はあくまで目安であり、実際には毎月付与されるクレジットを消費して利用する仕組みです。クレジットは音声生成だけでなく、ボイスクローンや会話型AI機能など、用途に合わせて柔軟に利用できます。年払いを選ぶと2ヶ月分が無料になるため、長期的な利用を検討している方におすすめです。
プロ以上のプランは大容量のクレジットが付与され、YouTubeチャンネル運営や大量の研修動画制作など、日常的に多くの音声を生成する場面で活躍します。企業向けのビジネスやエンタープライズプランは、チーム単位での利用や大規模配信に対応しており、専用サポートを受けられる点も魅力です。
ElevenLabs(イレブンラボ)は、AI音声生成を誰でも簡単に体験できる直感的なプラットフォームです。
アカウント作成から音声生成までスムーズに行えるため、初めての方でも安心して利用できます。
【使い方・手順】
①公式サイト(https://elevenlabs.io/ja)にアクセスする
②右上のサインアップからアカウントを作成する(Googleアカウントでの登録も可能)
③スタイルを選択する
④名前、生年月日、言語を入力する
⑤ElevenLabsを知ったきっかけを選択する(スキップ可能)
⑥プラットフォームを選択する
⑦利用目的を選択する(スキップ可能)
⑧プランを選択する(無料で利用する場合はスキップ)
【テキスト読み上げ機能の使い方】
読み上げられた音声データは、右下のダウンロードマークから保存できます。
ElevenLabs(イレブンラボ)は、日本語・英語を含む多言語に対応し、まるで人間が話しているような自然な音声を生成できるのが大きな強みです。
そのため、個人クリエイターから企業まで幅広い現場で導入が進んでいます。
ここからは、ElevenLabsの代表的な活用事例を紹介します。
ElevenLabsを活用すれば、動画広告やプロモーションビデオのナレーションを自社で作成できます。外注の必要がないため、コスト削減につながるのはもちろん、画面上で修正作業をスムーズに行えるのもメリットです。
日本語で作成したナレーション用テキストを英語や中国語に翻訳し、そのまま各言語の音声を生成できるため、グローバル展開を意識した動画制作にも適しています。
1つの動画を世界各国のターゲット向けにローカライズできるのは大きな魅力です。
SNSやYouTubeの運用にElevenLabsを活用すれば、短時間で高品質な音声を生成でき、商品紹介やキャンペーン動画のナレーションを即時に追加することができます。
自社でオリジナルの音声を簡単に作成できるため、外注する手間とコストを抑えられ、投稿頻度を維持できるのが魅力です。
声色やトーンをブランドイメージに合わせて調整できるため、統一感のある動画シリーズを制作できるでしょう。
ElevenLabsは、テキストデータからオーディオブックの自動生成が可能です。電子書籍(EPUB)やPDF形式のマニュアル、研修資料をオーディオブック化すれば、移動中や作業中でも内容を学習できるようになります。
さらに、生成音声を多言語化することで、海外拠点の従業員や外国人ユーザーへの情報共有もスムーズになり、教育・研修分野や社内コミュニケーションの効率化に大きく役立つでしょう。
ElevenLabsの自然な音声生成は、AIコールセンター分野でも注目されています。応答速度や音声の滑らかさが従来の自動音声よりも向上しているため、海外ではすでに導入事例があり、顧客満足度向上につながると期待されています。
日本市場でも動きが進んでおり、2025年にはElevenLabs日本法人と都内企業が共同で「コールセンター向け日本語特化音声AI」の開発を開始しました。
リリース後は国内企業の顧客対応業務を大幅に効率化し、24時間対応や多言語サポートの実現が期待されています。
アメリカ生まれのAI音声ジェネレーター「ElevenLabs(イレブンラボ)」は、企業のプロモーション動画やSNS投稿用の動画のナレーション作成に適したAIツールです。高品質な音声をスピーディーに作成できるだけでなく、英語はもちろん、日本語の音声についても、複数の声色で自然なイントネーションを実現しています。
また、単なるテキスト読み上げ機能だけでなく、動画音声の差し替えや電子書籍・PDF資料の音声化など、多彩な機能を備えているのも魅力です。
企業に導入することにより、カスタマーサポートや社内研修の効率化、海外向けコンテンツの多言語展開など、大幅なコスト削減ができ幅広いビジネスシーンに活用できるでしょう。有料プランに加入すれば商用利用も可能です。
コスト削減と効率化を両立できるElevenLabsを導入し、ビジネスにおけるAI活用の幅を広げてみてはいかがでしょうか。